ハッピーステップ
泥沼生活から、這い上がった軌跡(日記のはじめのほう)を書いた後
最近では、日常の感じた事をつらつらと、不定期に更新中ですm(_ _ )m

2003年09月09日(火) 第31章 別れのち意外な展開

それは、私の退社の日の前日であった
明日は、いよいよ送別会である


その日、私は、はじめて自分の方から、山上さんを誘った。

そう、別れを切り出す為に・・



山上さんは、うれしそうに私の誘いに応じた
そのうれしそうな顔に私の胸は、痛んだ


待ち合わせの場所に来た山上さんは、
「りかちゃんの方から、誘ってくれるなんてうれしいよ。
会社、明日で終わりだね。そうなったらもう会社の人間でもないんだから、
敬語で話すのはやめてね」そう言って笑った。

私は、その場を取り繕う為に微笑んだ。

食事のためにお店に入っても、山上さんのうれしそうな顔を見ていると、
なかなか話を切り出せなかった。
今日、ホテルに誘われる前に言わないと。。



「山上さん、私、明日で会社終わりだけど、
山上さんと会うのも明日を最後にしたいと思っているんです」

「どうして?俺のこと嫌いになった?」

「そんなんじゃないけど、山上さんはとても優しいし一緒にいて私は幸せでした  だけど・・・やっぱり、理由は聞かないでください」

「中村さんのことかな。」

「・・・」私は黙った。

「なんとなくわかっていたような気がするよ。こうなるんじゃないかなって。」

「それだけじゃないんです。山上さんがもしも、結婚していなかったら、
ずっと一緒にいたかもしれない。私が、会社を辞めようと思ったのは、
ここでの過去をすべて思い出せない環境に行きたかったからです。
もしも、これから、新しく恋を始めることになるとしたら、少なくても、
みんなに隠さなくてはいけないってことで、苦しい思いをしたくないって考えていました。
こんなことになってしまったけど。
それでも、山上さんの事は、ほんとに好きになって、
これまで会ってたことだけは、わかってください。
色々考えてこのままあっているのは良くないと思って」



お店を出て別れる時、山上さんは、誰もいない道で私を力強く抱きしめた。

私も、山上さんの胸に顔をうずめて、思い切り泣いた。



そう、私は決して山上さんの事を嫌いになって
別れを切り出したわけではなかった。


少なくとも、その時点では私も離れたくは無かった。
それは、本心である。




次の日、みんなにありがたい言葉をかけていただいて、
私はこの会社を巣立った。

仕事にしても、人間の内面にしても、ほんとに色々な事を学んで
退社すると言うより、「巣立つ」という感覚であった。




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