2003年09月16日(火) |
第34章 不安な気持ち(part2) |
それから、二、三日後、山上さんから携帯に電話がかかってきた。
「もしもし、久しぶり。 中村さんに、りかちゃんの携帯番号きいて、電話したんだ。」
「ほんとに。久しぶりです。」
笑って対応したものの、内心、先日のあきらちゃんとの会話を思い出していた。
あきらちゃんの気持ちは、私に対して、 どういうものなのだろう。
会いたくないって言った事、耳に入っていなかったのだろうか。
考えすぎなのかもしれないけど、 私の事なんて、ほんとはなんとも思っていないのかもしれない。
「会社近いみたいだしさ、明日でも夜、飲みに行かない?」 山上さんの言葉は、続いていた。
「明日は、ちょっと、予定があるので。」 「じゃあ、お昼ご飯一緒にどう?」断わる事ができない勢いだった。 「お昼なら・・・」
電話を切った後も私は、あきらちゃんの気持ちが気になり、 落ち着かなかった。
あきらちゃんに会って、私の気持ちをあきらちゃんに告白してみよう。 あきらちゃんは、なんと言うだろう。
そう思いながらも、あきらちゃんも、私と同じ気持ちであると、 本音の部分では考えていた。 あきらちゃんから、私への気持ちをはっきりと確認しておきたかった。
仕事が終わってから、あきらちゃんに、電話をした。
「今日、会いたいのだけれど・・・。」 「うん、いいよ。じゃあ、7時にいつものとこでね」
いつもと変わらず、やさしい声であった。
私たちはいつものお店で会った。
「今日、山上さんから電話かかってきたよ。」 「そう。今日、山上くんから電話かかってきて、 りかちゃんの番号教えてくれって。山上君、なんて言ってた?」 「明日、お昼一緒に食べようって。」 「あいつは、マメなやつだなあ。」そう言って、笑っている。
「あきらちゃん、私、この前、会いたくないって言ったのに。山上さんに。何で電話番号教えたの?」 「ごめん、教えちゃあだめだったんだね。 何回も、何回も教えてくれって、電話かかってきたからさあ。」
よく考えたら、教えるのが普通である。山上さんと付き合っていたことは、 あきらちゃんは知らないのだから。。。。
でも、このまま、ずるずるあきらちゃんと会うのなら、 彼が、どういうつもりで、私と会うのかをきっちりと、 確認しておきたかった。 もう、不安な気持ちになりたくなかった。
「あきらちゃんはさぁ、私と、また会うようになったけど、 それは、なんで?」 「会いたいから」 「何故、会いたいの?」 「・・・・・?」 彼は、私が何故そんなことを聞くのか、わからないという表情で、私を見た。
私は、思い切って続けた。 「最後まで、何も言わずに聞いてね。 私ね、実は、あの会社を辞める前に、 山上さんと付き合っていたことがあったの。 だから、山上さんと、今になって会いたくなかった。 山上さんが、どうして私に会いたいか、その意味がわかっていたから。 私は、そう言う感情をもう山上さんには持てないから。 私が、こうして、またあきらちゃんと 会っているのは、あきらちゃんのことをやっぱり好きだったからだよ。 でも、あきらちゃんは、どうして私と会ってるの?」
その言葉に対しての彼の返事は、その時の私にとって、意外なものであった。
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