ハッピーステップ
泥沼生活から、這い上がった軌跡(日記のはじめのほう)を書いた後
最近では、日常の感じた事をつらつらと、不定期に更新中ですm(_ _ )m

2003年09月25日(木) 第39章 疑念(part2)

次の朝になり、私たちは、ホテルを出た。

その時、職の無い私は、そのまま家に帰るが、
あきらちゃんは仕事の為、私たちは駅で別れるはずであった。

「ちょっと、コーヒーでも飲もうか。。。」
あきらちゃんが言った。

「え?仕事は?」
「ちょっと遅れていくよ」


会社を経営しているとは言っても、まだみかちゃんと二人。
その辺の時間の融通は利くのだろう。


何かあるな。と感じた私は、深くは聞かず、「いいよ」と答えた。


しばらく黙っていたあきらちゃんが、話し始めた。



「会社初めて、まだ一年も経っていないから、いろいろ大変な事があってね。」
内容はこうであった。

一年も経っていない有限会社を相手に簡単にホイホイ信用して取り引きなど
してくれる仕入先などない。
支払いは、現金、もしくは、取り引きの為に担保を必要とした。
担保と言っても、マンションを売り払って、
公団住宅に住んでいたあきらちゃんには、家を担保にすることもできず、
そこより少し郊外に住んでいるご両親の家を担保にしていたらしい。
ところが、経営状態が、当初の憶測通りにいかず、
さまざまな支払いを2ヶ月程度、遅らせてもらっているらしかった。
その他、もろもろの理由で、資金繰りに困っている様子であった。
その支払期限が、2、3日後に近づいているらしいのだ。




「ようは、お金の事なのね?」

「そうだよ。」申し訳なさそうに彼が言う。

「いくらなの?」

「大きな額だよ」


それは、数百万単位の大きな額であった。



「どうして、私にその話を?」少し力なく言った。

「りかしか、こんな話できる人がいなかったんだ。」




親しい仲であればあるほど、お金の貸し借りは厳禁である。
私なら、絶対に大切な人にお金を借りようなどと思わないであろう。
ましてや、女の私に・・・・。

あきらちゃんの真意がわからなくなる。

やはり私は、いつまでも「都合のいい女」止まりなのかもしれない。。。。。




「ちょっと、考えさせて。仕事がおわってから、今日、もう一度
会ってもらえるかな。」私は力なく言った。

「わかった。ごめん」




少し、考える時間がほしかった。

貸すとは言っても、私にとっては、
将来の不安を少しでも軽減するための 大切な蓄えである。
そのほとんどの額を貸すことになるのだ。

その将来の不安というのも、
あきらちゃんと過ごす時間を大切にしていることの代償のようなものなのだ。

そのお金がなくなってしまう。
私がお金を貸したからと言って、
会社がその後、うまくいくという保証もない。

はじめたばっかりで、苦しいのはわかるが、そのくらい考えて、
会社を起こし、運営できなかったのだろうか?


それよりなにより、あきらちゃんより6つも年下の女に、しかも、
自分が今付き合っている彼女に、お金など借りようと思う真意がわからない。



初めて、あきらちゃんの人間性への不信をほんの少しだけ、感じた。



しかし、私の気持ちは、あきらちゃんへと、走り始めている。
そのあきらちゃんが、困っている。
お金の事を誰にも言えなかったんだろう。
昨日の夜だって、あんなに私に切り出そうか
迷っているふうだったではないか、
それに、私もその会社で、秋には、働く事になるのだ。
自分たちの会社を起こして出資したと思って、一生懸命頑張れば、
なんとかなるかもしれない。





私は、覚悟を決めた。





↑エンピツ投票ボタン
My追加


 < 前の日  もくじ  次の日 >


りか [MAIL]

My追加
ホームページランキングネット エンピツユニオン