2003年09月26日(金) |
第40章 不信と不安 |
お昼から夕方まで、私は、ブラブラとウインドゥショッピングをしたり、 カフェで、ボーっと考え事をしたりして、時間を潰した。
いつもより少し早く、あきらちゃんから電話があり、 私たちは、再び落ち合った。
お店に入り話を切り出した。 「もう一度聞くけど、あきらちゃんは、何故私にお金の話を切り出したの? 私が言いやすいってのは、私ならお金をすぐに貸してくれるからって意味? 都合がよかっただけ?」
「違うよ。俺も、大分と迷ったんだ。けど、会社を立ち上げる時に、 迷惑をかけれるところには、かけつくした。他の人にはもう頼める状況じゃなかったしあと、一番信用できるのは、りかしかいなかったんだ。」
私は、この時点で、覚悟を決めていたのだ。 あきらちゃんの真意を確かめるために、お金を貸そうと。。。
お願いだから、私を裏切らないでほしい。。。 そんな願いを込めて答えた。
「明日、銀行に行って来るよ。」 「有難う。ごめん・・・」
その話が済んだ後は、できるだけ、その不安を忘れる為に あえて楽しく装う自分がいた。
そして、その夜も一緒に過ごした。 しかし、内心は、やはり不安が募っていた。
「再来週あたり、休みが取れそうだから、旅行に行こうか。 いい旅館とれたんだ。 海が全面に見える壁一面ガラスのある部屋らしいよ。 天皇陛下も、別の部屋に泊まった事がある旅館なんだってさ。」 あきらちゃんが言った。
「へ〜楽しみだね」
そう答えたものの、この会話で私の不信感は、少し大きくなった。
お金がないからどうしようもないと、私にお金を借りようとしている割に、 旅行でいい旅館を予約して、それを楽しみにしている。 少し矛盾がありはしないだろうか?
しかし、そんな不信をかかえながらも、あきらちゃんとの始めての旅行は 私をうれしい気持ちにさせたのは、否定できない。
その日は、そんな不信を表に出さないように過ごした。
|