2003年10月14日(火) |
第48章 最大の悲しみ(part3) |
とにかく、あきらちゃんと別れたばかりで、妊娠の確認を告げられた事。 なによりも、その赤ちゃんが、おなかの中で、 死んでしまっているかもわからないこと。
私の心は、奈落の底に突き落とされた。
お店には、まだ体調がすぐれないという理由で、長期の休みをもらった。
一週間の間、私の心は、あきらちゃんにこの事を伝えるべきかどうか、 悩んだ。 孤独で不安だった。 何をするにも、お腹の中の赤ちゃんが気になった。。。 とにかく、一週間待ってから、次の行動に移そう。 一人ぼっちの部屋で、常に泣きながら過ごした。
一週間後、私は、ぼんやりした思考のまま、再び病院を訪れた。
診断の結果は、やはり、「稽留流産」だった。。。。
あきらちゃんと別れてから、妊娠が発覚したからなのか、 お腹の赤ちゃんが、死んでしまっていたからなのか、 こんな大事態が起こっても誰にも相談できない孤独感からなのか。。。 私の目からは、次々と涙がたくさんあふれ出た。。 おそらく、その全部の思いが 一気に私の中で、ごちゃごちゃになって、 涙として溢れ出てしまったのだろう。
「何も気が付かずに、生活してたから赤ちゃんが。。。。」 そう言って、後は、涙で、言葉にならなかった。。。。
色々な事情をしらない先生は、また優しくかばうように、私に語りかける。
「稽留流産っていうのは、ほとんど染色体の問題だから、 あなたのせいではないのよ。 また、数ヶ月もすれば、赤ちゃんのできる身体に戻るんだからね。」 そう言って、やさしく背中をなでてくれた。
できるだけ早く、子宮の中を綺麗にする手術をしたほうが良いといわれて、 その三日後に、たった一人で、手術を受けた。
術後の診察で、検査の結果も良好で、次の生理が来るまでは、 用心が必要だけど、あと、一週間もすれば、 普通に生活しても良いとの事だった。
「異常があれば、すぐに来てくださいね。」先生が、優しく言った。
悲しみにくれていたが、そうも言っていられない。
病院の手術代、診察代は、ただでさえお金に困っていた私には、 かなりの額であった。
大きな心の傷と悲しみを抱えながら、 その一週間後、私はお店に復帰した。
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