2003年10月23日(木) |
第51章 近づきつつある『何か』の正体(part4) |
「ほんとに?」 「はい、こないだ携帯が、おかしくなって、変えたところなんです。」 「俺も、こないだ変えたところなんだ。 前は、だいぶ古いの使ってたから。。。」
私は、自分の携帯を出して、 「ほら、同じでしょ?」そう言った。
「あっ、ほんとだ。りかちゃん、じゃあ、この伝言の消し方わかるかな。 変えたばっかりで、まだ、使い方がわからなくって。。。 もういらない伝言なんだけど。」 私は、津川さんの携帯を手にとって、録音されている伝言を消してあげた。
「ついでに、りかちゃんの番号も登録しておいて」 津川さんが、サラリと言った。
あまりにもサラリとした言葉だったので、私は、耳を疑った。
「え?私の番号をこれに登録するんですか?」 「うん」
なぜか私は、迷うことなく、津川さんの携帯に自分の番号を登録した。 それまで、決して、だれにも教えた事のなかった番号を 何の迷いもなく。。。。。
自分でも、不思議で仕方がなかった。
そして、津川さん自身も、こんな風に、番号を聞くようなタイプでは、 決して決してなかった。。。。。
嫌な気持ちは、しなかった。
しかし、あきらちゃんの事を私はまだ忘れたわけでもない。
この気持ちは何なのだろう。。。 『何か』の正体が、近づき始めているのかもしれない。。。。。
その後も、普段となんら変わりなく、津川さんは、崩れるでもなく、 楽しい会話で、サラリと帰って行った。
次の日、ふと気が付くと、私の携帯に、メールが入っていた。 「昨日は楽しかったです。また今度・・・・・。」
昨日?誰?一瞬わからなかった。 津川さんだ! 思いがけない事であった。
「誰かと思ったら、津川さんですね。驚きました。 その後、新しい携帯の使い方は覚えましたか?」 返事を返した。
何かが始まる。。。。そんな予感がした。
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