2003年10月24日(金) |
第52章 混乱の中の始まり(part1) |
その頃から、あきらちゃんは、返済のお金を振り込まなくなった。
それでも、あきらちゃんに、それを請求する事はなかったし、 半ば、その大きな額が、自分の手元に戻ってくる事をあきらめはじめていた。
それでも、お金の事は、いいから、あきらちゃんに、 会いたいという気持ちがあった。
毎月、少しづつではあるが、私自身の借金の返済は、順調に減りつつあった。 しかし、まだまだ夏には、ボーナス払いの大きな金額がある。 簡単には、生活が楽にはならなかった。 借金がなくなったら、夜に働くのをやめて、本来の仕事に戻りたい。 そう考えていた。
ある日、私は、お店の仕事を終え、家への道を歩いていた。
携帯電話をバックから取り出した。 お店に入っている間に、あきらちゃんから、連絡がないかと、 帰り道に、携帯を確認することは、日課のようになっていた。
携帯は、不在着信を示していた。
あっ!あきらちゃんかも! 私は、はやる心で、発信元の確認をした。。。
津川さんの名前が、そこにあった・・・・・
私は、また驚いた。 やっぱり、何かが近づいている。
次の日、津川さんに、メールで返信をした。 「昨日は、お店に出ている日だったので、 電話に気が付きませんでした。 すみません。」
その返事は、「月水金だけだと思っていたよ。火曜日もお店だったんだね。」
次の木曜日、私は、お店が休みのため、ブラブラと気分転換に出かけていた。
夕方になって、また津川さんから、電話があった。 「もう、飯食べた?」 「いいえ、まだです。」 「今日、一緒に行かない?」 私は、承諾した。
津川さんから、はじめてメールが来た日から、 私は、自分の変化に気が付いていた。
寂しさや、虚無感が、かなり軽減していることに。。。。。
しかし、それが、何故なのかは、わからなかった。 あきらちゃんのことをまだ、想っている私は、確かにあった。
津川さんのことを私は、想い始めているのだろうか?
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