LOTUS BLOOM 通信(英語・翻訳学習編)<2007年4月6日〜>
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2004年12月10日(金) 粋なトップ

今日は朝から「薬理学」のテキストを開いてお勉強。お昼前に、斜め前の女性が「たぁさんは一生懸命、何をしてるの?」と覗き込んできた。
「薬理学のお勉強です。上司からは『MR程度の知識でいいからね』とか言われてるけど、私、思いっきり文系だから全然わかんなくて」
なんて答えてたら、後ろの席の取締役が
「大丈夫、大丈夫。そんな深い知識が求められるわけじゃないよ。ボクも前は製薬会社に勤めてたけど、文系出身だったんだから」
と会話に首をつっこんできた。

話の内容は国の医療制度や保険制度にうつり、どんどん大きくなっていく。
「国がなかなかできないことをやろうとしてるわけだから、ウチの会社って実は大したもんなんだよね。これってすごいことだよ。将来的にはこうなったらいいよね。それはボクの生きてるうちにかなうかどうかはわからないけど。将来、それが実現できて制度が変わったりしたら、孫に『おじいちゃんはこんな仕事をしたんだよ』って語ってきかせたいんだよ。でも、そういう風に大きな視野で捉えたら、面白い仕事をしてるって思えるでしょ?ついつい目先の忙しさに捕われがちだけど、そういう意識をもっと会社全体に浸透させたいよねぇ。と言いつつ、ボクもつい目先のことで精一杯になっちゃうんだけど。」

おそらく30代後半か、いってても40代前半だろう。口をきいたのは初めてだったけど、話し方が活き活きしてた。会社の目標と個人の夢が重なってると、やりがいも倍増するだろう。ぜひチャンスがあればもっとゆっくりと話を聞いてみたい。

夕方、上司からメール。昨日英語に翻訳して渡した資料が添付されていて、そのコメントに
 >社長にチェックさせました
とある。
確かに社長は帰国子女で、アメリカの超難関大学の学位を持っており、英語は日本語と同等に扱えるくらい堪能だということは聞いていたけれど、それにしても社長に「作業」を頼むなんて…
中身を確認すると、冠詞の使い方や表現など、細かいところまで手が加えてある。考え抜いてつくった文章がそのまま残っているとちょっとうれしかったりして。
しばらくして上司がやってきた。
「それ、社長に見てもらったから、これからはその言い回しとかを参考にするといいよ。」
「あ、はい。でも、いいんですか? こんなこと社長にお願いしたりして。」
「いいの、いいの。できる人がやるのが、一番効率がいいんだから。でもね、たまにちょっと気取ったスラングなんか混じってたりするけどね。」

頼むほうも頼むほうだし、受けるほうも受けるほうだと、驚いてしまった。
ウチの部署の本部長は社長自身。成長していて期待も大きいビジネスの実務部分を一手に担っているだけに、上司は社内で一番忙しい人だと社内の誰もが認めている。そういう事情も鑑みてのことなのだろう。

取締役にしても社長にしても、こういう人たちがトップにいると思うと頼もしい。今までの2社では、それぞれトップが悩みのタネだったからなあ。ますますこの会社が好きになってきた。こういう人たちであれば「全社一丸となって…」なんてスピーチも素直に聞こうと思える。


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