2004年12月16日(木) |
寒い冬を待ちわびて/今年は「災」 |
今年の冬はちっとも寒くない。
どうしてこんなに寒くないのだろう?
吐く息もさほど白くならないし、手もいつも程かじかまないし、
まだコートも、ひざより短い。
我が家は鍋もの大好き家族なので、すでにこの冬
数え切れないほど鍋をしているけれど、
その鍋も、体の芯をあたためてくれるような、そんな
力のあるメニューには、なりきれていない。
ああ、あたたかいミルクが飲みたい。と、
切実に思うような、そんな冬の寒さがまだやって来ない。
思い返せば、去年まで過ごしたあのおんぼろアパートが
京都の冬の底冷えを、真から味わわせてくれていたのだ。
毎朝、毎晩、しんしんと冷えた。
薄い壁を通して、まるで外にいるみたいに冷たい空気が部屋の中に伝わってきて、
きゅううぅっと、ありえないほど部屋の空気を冷やしていた。
寝相の悪い私が、布団から少しもはみ出さずに眠っていたのは、
あまりの部屋の寒さのせいだった。
でもだからこそ、あたたかい飲み物のもつ力強さや、
湯気ののぼる食卓の嬉しさを、より多く感じられた。
そんな京都のアパートに比べれば、
今住んでいるところが寒くなくっても、当然で、
まだ寒い冬がやってこない、なんて文句を言うのはちょっと違うかもしれない。
でもやっぱり、早くもっと寒くならないかなぁなんて、
そう思ってしまう。
*
さて、
「災」が今年一年をあらわす漢字として選ばれた。
私の予想は「揺」だったのだけれど・・・。
地震・台風、プロ野球・テロ・拉致問題と、
日本を揺るがす出来事の多かった一年だと思ったのだ。
揺れるばかりで、解決の糸口がなく、新しい展開もない、
そんな「揺れている」状態のまっただなかに、
今年一年の日本はいたような気がする。
しかしまぁ、清水寺の住職が、今年は「災」と描いた。
来年はどんな一年になるだろうか?
もう少し平和な文字が刻まれるといいのだけれど。