朝焼けの美しい朝。
おはよう。と、まるで小鳥のさえずりみたいなキスで目覚める。
ちちち、てゅりゅりゅ、てゅりゅ。
表でほんものの小鳥たちが鳴いている。
ハム、たまねぎ、チーズをのせてトーストした食パン。
ほうれん草とエリンギのバター炒め。
それから、りんごと紅茶。
それらをほおばってから、朝7時のお洗濯。
早起きをすると一日が長く感じられて幸せ。
今日は何をしよう?何を着てでかけよう?
そんなことを、朝の光の中でぼんやりと考える。
朝ぼんやりしていると、いろんなことを考える。
ぼんやりしすぎて、時々、余計なことまで考えてしまったりもする。
昨夜の、
くちびるをぎゅっと引き結んで、眉根を寄せて歩いた夜の街のことなんかを。
けれども、そういったこともふっとよぎるけれど、
忙しく掃除機をかけたり、ぞうきんがけなんかをしていたら
またすぐに忘れて、鼻歌なんかが自然に飛び出しくる。
基本的に、私は忘れっぽくて幸せ者なのだ。
早起きは幸せ。
予定のない休日にする早起きは大好き。
朝寝ももちろん好きだけれど、
健やかな暮らしをしていると思える、こんな冬の朝の空気に触れられることが
何よりも幸せだ。
今日はまだ少し残っている仕事をやっつけようと思う。
それから少し買い物にも行こう。
夜は久しぶりの同窓会。
結局人数はそんなに集まらなかったけれど、
それでもとても楽しみ。
女の子たちは、相変わらずオシャレでかしましいのだろう。
きっとまた、女の子っていいね、と思って、影響を受けて帰ってくるだろう。
マニキュアを塗ったり、香水をつけたり、
ふわふわのコートを羽織ったり。
かわいらしいスカート、華奢なヒール。
想像するだけでもウキウキする。
朝の光はいろんなことを楽しい気持ちにさせてくれる。
今日はどんな一日になるだろう?
さて、
パソコンを閉じて準備にとりかかるとしよう。
*
がーん。。。
ずずずーん。。
とても心地よい朝のはずだったのに、
ショックなことがひとつありました。
ショックっていうか、自分のバカさ加減に笑ってしまう。
くつくつくつと、思い出せば出すほど、
笑い話になっていくことなんだけど・・・。
朝、ここちよく掃除を終え、
そうだ、今着ているものも洗濯してしまおう!
そんな風に思ったのが、そもそもの始まりでした。
今朝の私はフリースを着て掃除機をかけていました。
家の中だって冬は寒いので、私はいつもTシャツの上にフリースという格好。
そうして、そのフリースのポケットの中には、
ケータイ電話が入っていました。
いつもケータイのアラームを目覚まし代わりにセットしているのだけど、
今朝はそのアラームよりも早く起きて行動していたので、
掃除機をかけている時にそのアラームがぶるると震え始めたのです。
ソファの上に置いていたケータイを拾い上げてアラームを解除し、
そのまま、フリースのポケットへ、ひょいと入れたのでした。
それが、あとの祭り。
そのことをすっかり忘れて、ポケットの中にケータイを入れたままぽいっと、
洗濯機の中へフリースを放り込み、
後はがー、がーと、回転する洗濯機に何もかもをゆだねたのでした。
そうです。
ケータイを洗濯機の中できれいにきれいに洗ってしまったのです。
それっきり、私のケータイはうんともすんとも言わなくなってしまいました。
ケータイをポケットに入れていたこと、すっかりすっかり忘れていたのです。
忘れっぽくて幸せ者、なんて書いた後だけに、
余計に自分が笑えてきます。
修理をすれば、一週間でケータイ電話は戻ってくるそうだけど、
もちろんデータは全て消えてしまっています。
私のわずかながらの友人のデータは、きれいさっぱり消えてしまいました。
うん、でもね。前に使っていたケータイのデータを
手作業でまた入力すればいいから、大丈夫。
大丈夫なんだけど、ねぇ。
それにしても、脱水までして、ハンガーにかけてベランダに乾して、
出かけるときにようやく、あれ?私ケータイどうした?
と、気づいたのでした。
ばっかだなぁ。。。ははは。