遠くにみえるあの花火に
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2005年04月13日(水) パステル画教室のこと/小川洋子さんの「博士の愛した数式」のこと

思いがけず肌寒い日。
ブラウス一枚の薄着で表に出たら、ぴゅうっと春風が吹きぬけて、
なんとなく斜めうしろ45度の空を見上げたくなった。





先日、パステル画教室に行ってきました。
絵を描いたのは何年ぶりだろう?

よくあるカルチャーセンターのカルチャー教室の一講座。
教室はおじいちゃんやおばあちゃんばかりで、
たぶん60歳そこそこの方々ばかりなんだろうけど、
みんなかくしゃくとしていて、「嵐のコンサートに行く」なんて話している。

この講座は特に「初級」とも「入門」とも書かれていなかったから、
もしや・・・とは思っていたけれど、初心者なのは私を含め3人だけ。
授業はいきなり女性のモデルを使った人物画でした(服は着ています)。

せいぜい花とか果物とかを描くのかと思っていたら、
いきなり人物画でした。
高校生の頃に部員同士でクロッキーをして以来の人物画。

デッサンもろくにとれないけど、とりあえず描かなければ始まらないので、もくもくと描いた。
消しては描き消しては描いていく。

ある程度のところで周りをみわたすと、もうパステルで彩色し始めている!
思い思いのタッチで、思い思いの人物画ができあがっていく。
私もいそいで彩色する。
なんだかぬり絵みたいに平面的な絵になってしまう。
難しい。

あいまに先生が手を加えてくれたりしているうちに、
あっというまに2時間がたってしまった。



集中していたのと、前の晩から風邪気味だったことと合わせて、
なんだか頭がぼーっとしてしまう。

絵を描くことは子供の頃から好きで、
小学校低学年ぐらいまでは将来画家になりたいと思っていた。
調子に乗りやすい性質なので、ちょっとほめられるとすぐその気になるから、
もしくは自画自賛的にいけるかも、とか思っていたんだと思う。

絵とか歌とか、国語とか算数とか、やはりちょっと得意だとか、
子供の頃にほめられた経験があるとか、
そういうところから「好き」という気持ちがわいてきて
はじめて「すきこそもののじょうずなれ」に辿りつく気がする。
センスが体の内側にそなわっていないと、
好きになることさえ難しいことが世の中には多いなぁと思う。


画家は断念したけれど(というか一瞬の桜吹雪みたいな夢だから断念も何もないけれど)、
絵を描くことはやっぱり好きで、上手いとか下手とかいうよりも、
自分らしい絵を、自分の思うように、思う様描くのが楽しいと思う。

そして出来上がったものがそれなりに人からも好きだと言ってもらえる絵なら
尚のことうれしい。
それは小説を書いたりこうして日記を書いたりするのに対する気持ちと同じで、
自己満足なんだけど、でもちょっとの欲もある。
表現されたもの、というのは自分自身でもあるわけで、
全く別のものにはできないから(もちろん全く同じでもないわけだけど)
けなされるよりは、好感を持ってもらえる方が、やっぱりうれしい。

次の講習は2週間後。
それまでに、また自分でもくもくと修正しなくてはいけない。




今は小川洋子さんの「博士の愛した数式」を読んでいます。
本の交換会の時に借りたもので、せっせと読んでいます。

物語はおだやかに、しずかちゃんの牛乳風呂のようにやさしく進んでいて、
この親子と博士の生活を眺めていると、
相手と正しく向き合うということの大切さを、せつせつと、
思わずふふと笑ってしまうようなエピソードの合間に感じるのでした。


物語はおそらく、せつない方向に流れていくんだろうと予想しているのでが、
これから先、どうなっていくのか楽しみなのです。



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