ふつうのおんな

2004年10月14日(木) いえないけどやりたいこと

「本当はこれをしてみたい」「あれになりたかった」という夢は人に話せるものと話せないものがある。

私の父の一族は全員開業医で、あたりまえのように医者になるか医者一族と結婚している。
私の妹も歯医者と結婚したがその彼@三男も父親・次男・長女は医者で長男が歯医者。
つまりみーんな「センセイ」と呼ばれる職業な訳だ。

その中で唯一私だけが医療すらかすりもしない職種@えんじにあ につき、これまた自営業のオットと結婚したわけで。

私は医学部受験もしていない。農学部だっちゅの。
医者を目指す、というのは一族の中では当たり前で国家試験は一発合格が当たり前。
医者になるまでは時間の遊びが少ない。

同い年の従兄弟が合格したときは胸をなでおろした。
彼からは「えっちゃんもなるって言ってたのに」と大学時代にぶぅぶぅ言われたりもした。

私だとて中学1年生くらいまでは本気で医者になりたかった。
父親は外科と麻酔科だったので、私も外科医がいいなあなどと漠然と考えていた。

が、14歳の頃、根が真面目じゃないのでこつこつ勉強することが苦手だったことと、性格的に人の命を救うことへの不向きを感じた。
そして母は嘆いたが、高校受験はせず中学から大学までのエスカレーターに乗りつづけることに決めたのだ。

そんな私でも25歳くらいまでは「今から死ぬ気で勉強すれば大学入学に1年・学校が6年・国家試験に一浪くらいするとしても8年で医者だ。2年くらいインターンを経るとして、35歳までにはちゃんと医者だ。どうしよう間に合うかな。」などと不届きな考えもあった。
医者なら食いっぱぐれないからとかじゃない。
従兄弟たちと同じ様に父親と同じ職業につくことの喜びを感じてみたい。
同じ職業であれば彼らと同じ目線でものを見られる。
そういう気持ちだった。

この気持ちは、本当に諦めがつく年になるまで消えないものなのだろう。
業みたいなもんだ。

で、これは人にいえるほうの考えだ。

言えないのは、文章を書くこと。
こんなつたない日記を書いておいて恥ずかしいことなのだが、私の書いたもので読んだ人から共感を得られたらすごく気持ちよいのではないか と。

書きたいのはエッセイでもノンフィクションでもSFでもない。


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ただ書くだけなら誰にでもできる。
女たちからの共感が欲しいと欲をかいているので書けないのだ。

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