| 2004年09月30日(木) |
インテリっておもしろい |
「幻想の画廊から」澁澤龍彦
やはり、ポオル・デルヴォー、レオノール・フィニの絵が好きだ 芸術新潮で特集してくれないかな。 幻想の画廊より 詩人ポオル・エリュアールがデルヴォーに捧げた詩の一節
裸の貴婦人たちが荒廃の街を空しくする 輝かしい肉の支配下にあるこの世界 空虚な鏡のなかのドレスの反映とともに すべてが一瞬にして孤独に突き落とされるのだ その乳房の形と重みを知るために 朝、いちばん美しい女は その双腕でみずからをかき抱く
デルヴォーの絵の美しいろうそくの蝋のような白さの女。 自分の無感覚さの哀しみにくれる姿を感じられる。 いい詩だ。
「エロスの解剖」澁澤龍彦
オルガスムについて インテリっておばかねと少し笑った 栗田勇、大江健三郎、澁澤等と性科学の薀蓄をかたっている話題。 栗田氏は性交の回数を自慢するが、ノーマン・メイラーによると 性交の回数を自慢したり、ドン・ファンぶりを誇ったりする男は、 それだけでは完全なオルガスムの能力に欠けるというのだ。 過程だけに自分の喜び、征服力を見出し、あとは、快感をともなわない。 回数を誇るものは「オルガスム不能」説 インテリっておもしろい。定義付するともっともらしい。 相手をギャフンと言わせてやろうと、ああでもない、こうでもないという 語りの場に同席したいものだ。
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