りえるの日記

2004年10月02日(土) パリの旅回想(りえる版)

図書館でかりた本
 「文学のとき」吉田秀和
 「あ・ぷろぽ」山田稔
 「石と光の思想」饗庭孝男
 「天使たちの饗宴」澁澤龍彦同時代芸術論集
 「イコノエロティシズム」澁澤龍彦同時代芸術論集  
 「魔術的芸術」アンドレ・ブルトン 

図書館に久しぶりに行くと、ついつい欲張ってかりてしまう。
澁澤、ブルトンは楽しみだ。

「石と光の思想」饗庭孝男を少し流し読み。
  
  「人間が石造りの建物に住んでいるという事実から受ける  
  奇妙な嘔吐感、または眩暈感。」
   
  この一行を読んでかりてみた本。木造の建物は、
  環境と共存しているが、石は熱を奪い取る冷たさがある。
  
 「ヨーロッパを旅すると、美しい若者たちが、場所を問わず
  愛撫しあっている姿にでくわす。彼らは、20代の絶頂の美しさを
  目に焼き付け、確認しているかのようだ。
  30代以降の醜悪な姿をおぼろげに感じながら」

 「光への憧憬。」
   
   冬のパリを旅をすると、本当にグレーの世界だ。             光を心待ちにする気持ちは分かる。
   私の冬のパリの旅行記。寒い冬12月上旬の感想。
   この旅行記を読むと、一人旅のようだが、
   女4人で随分にぎやかな旅だった。
   

  5日目 夜
寒いけど、夜のパリの街並みを見たくて
セーヌ川遊覧をすることになる。

Bateau Mouche(バトームッシュ)

4月から聞いているフランス語会話にも
このセーヌ川の遊覧の話題がでていた。

コンコルド橋からセーヌ川沿いにおりて、
バトームッシュ乗り場を目指して歩く。
だんだん大きな船が見え始め、大型観光バスが
4,5台とまっていた。
7ユーロ(800円ほど)でゆっくり1時間パリの街を楽しめる。
切符をかって、船に乗り込むと、意外に人が
多いのに驚く。日本人は少ない。

私のパリ観光の楽しみのひとつは、セーヌ川にかかっている
それぞれの橋をみることだった。

アポリネールの詩にうたわれたミラボー橋。
夜の暗闇の中に堂々とそびえるアレクサンドル三世橋。
ポンヌフの恋人で一躍有名になったパリて最も古い橋ポンヌフ。
この映画の夜のセーヌ川の花火のシーンは綺麗だった。
空にあがる打ち上げ花火のはかなさは、この映画の恋愛の最後を
暗示しているかのようだった。
何年かぶりに再会する冬の橋の上でのシーン。
雪がふりしきるなか、車が通るのも気にせず、走りよっていく。
そして、セーヌ川にうかぶ船に乗って、あてのない旅をする。

そんな思いを胸にして、船は動き始めた。
最初は寒いので、船の中で景色を眺めていたが、
風景が見えにくいので、外に出た。

外は霧雨が降っていた。
風は冷たいが、広がる夜景の美しさにはかえられない。
なるべく人の目につかない席を探す。
フランス語、英語の説明をおぼろげに聞きながら
ゆっくり流れる景色をみていく。

夜の街にうかぶノートルダム大聖堂は、モネの絵の世界だ。
1日で色んな顔をもつノートルダム大聖堂。
ルーブル、オルセーを見ながら、この建物の横を
スタンダール、バルザック、ランボー達が歩いていたのかと
思うと感慨深い。

物思いにふけっていると、エッフェル塔が見えてきた。
お昼より、数倍美しい。
夜に輝く満月のように、暖かい光だ。

フランスの自由の女神だ。
噂どおり小さい。

遊覧も終わりに近づいてきた。
空には星も月もでていないけど、
街の光で月光浴をしたようだ。

船を下りて、地下鉄の駅を目指す。
ブルボン宮の前の交差点で3人のフランス人老婆とすれ違う。
まるで3つ子のように似ていて、3人並んで横断歩道を渡っている。
真中の女性が倒れそうに歩いているのを横の二人の女性が
支えている。体が不自由な人なのだろうか。
どこからずっと歩いてきたのだろう。不思議な映像だ。

地下鉄に乗り、また現実の世界に戻っていく。



  
   
    
  
  
  


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