林心平の自宅出産日記

2004年12月06日(月) 頭痛と肉じゃが

 今朝起きると、妻は頭が痛いと言っていました。どうやら、寝不足のせいのようです。『本のすすめ』の表紙作り、模様替えと、連日忙しい日々が続きました。
 平日は朝ゆっくり寝ていればいいのですが、土日はそうもいきません。子どもたちがひばりのように早起きだからです。夜中まで模様替えをしていたとしても、朝はどうしてもゆっくり寝ていられず、疲れはたまっていきました。
 加えて、頭痛を誘発するのは、ストレスからの解放です。何かほっとしたときに、血管が拡張して痛くなるのです。昨日は、助産婦さんが来るはずでした。それまでに模様替えを終わらせて、部屋をきれいにしておこうと頑張っていたのです。しかし、結局、来ませんでした。そのとき、気が抜けてしまったのです。
 そんなことが重なって、頭痛になってしまいました。まぶしいと痛がるので暗い中、それでも空腹は頭痛によくないので、妻は朝食のにんじんパンにルッコラとゆで豚をはさんだサンドイッチを食べました。

 ぼくは、昨日夜更かしをして、数日来、忙しさのあまり読まずにいた新聞に目を通し、ついつい『ミステリ十二か月』を読み、それからこの日記を更新しました。そのため、すっかり寝坊をしてしまい、あわてて犬の散歩に行き掃除をして、妻のお世話もそこそこに、子どもたちと家を出ました。
 夕方、家に帰ると「ナッツが食べたい」と妻が言いました。そういうことがあるものです。実は、今日、オーストラリアに出張していた部長がおみやげに、マカダミアナッツ・チョコレートをくれたのです。チョコは血管を拡張させる食べ物なのですが、それよりも食べたいものを食べて元気になった方がいいと、コーヒータイムにしました。
「休まなくちゃと思っていたんだけど、頭が痛くて、一日眠れなかったんだよ」と妻は言いました。夜は、足裏、てのひら、腰、肩、首とマッサージのフルコースをしたのですが、その時にこう言われました。
「『しまっていこーっ』って言いながら、マッサージして」
「ええっ。それは誰に対して言うの?」とぼくがたずねると
「首の筋肉とか、拡張している頭の血管にだよ」とのことでした。そこでぼくは、
「しまっていこーっ」とか「しっかりするんだ。ゆるみっぱなしじゃないか」とか「そろそろ仕事に戻ってくれなきゃ困るよ。いつまでもこんなんでどうする」などと頭の血管に呼びかけながらマッサージを続けました。
 そのかいあってか、妻はいくぶん元気をとりもどしました。
「よく眠れるために、少し働く」と言って、明日のお弁当用の肉じゃがを0時すぎから作ってくれました。辰巳芳子さんの本にある、素材の味を生かすための調味料の味が芯までしみていない肉じゃがというもので、なかなかその発想は新鮮なのでした。
 今、部屋はしょうゆと砂糖のいい香りでいっぱいです。


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