林心平の自宅出産日記

2004年12月08日(水) 夫は妊娠していない

 今、仕事でこみいった計算をしています。そのため、めずらしくまとまった残業をしました。今日は、保育園には19時までの延長保育をお願いしていました。18時半には職場を出るつもりでしたので、妻にはぼくが子どもたちのお迎えに行くと伝えておきました。
 しかし、18時20分になって大きな間違いが見つかり、それを解決しなければならなくなりました。そこであわてて妻に電話をかけました。
「もう少しかかりそうなんだけど、お迎えいける?」
「電気つけるのにも腰が痛いし、急に言われても無理。凍った道路の上を妊婦に急がせるつもり?」
ごめんね。
 結局、18時50分に仕事は片づき、保育園には少しだけ遅れるとあやまりの電話をいれました。それから子どもたちを迎えに行って、家に帰りました。
「今日はごめんね。無理言って」
「1時間くらい前に言ってくれたらいいけど、急には無理だよ。頼らないで」うん、ごめんね。いいよ。
 それから急いで夕食の支度にとりかかろうとしました。
 すると、ご飯は炊けており、鍋にはシチューができていました。妻はすっかり料理をしてくれていたのでした。
 夕食後、明日のお弁当の用意をしようとしたら、妻が「オーブンの中を見てごらん」と言いました。オーブンのふたを開けると、なんと、マカロニグラタンが入っていました。しかも、妻が家で食べる分と、ぼくがお弁当として持って行く分と、2つに小分けにしてありました。
 ありがとう。

 それから、子どもたちを寝かしつけて、妻にマッサージをして、台所を片づけて、妻と一緒に洗濯物を干すと、もう0時半でした。妻は言いました。
「自分の時間がほしくないの。さっさと家事をしないと、時間は作れないよ。最近、読書もあまりしていないし、ホームページの更新も進んでいないし。これじゃあ、ただ毎日すぎてくだけだよ。だからといって、夜更かしして寝坊すると、皆が迷惑する。将来に向けて勉強したりしなくていいの。そう思って、料理だってしておいたのに。私が妊娠したからといって、それを言い訳にしてさぼってない? もっといっしようけんめいしていたでしょう。よーさんは、妊娠していないでしょう。マッサージしてもらっても、そのあとに家事をしていたら、うるさくて休めないし、こうして手伝ってしまうし。今忙しかったら、しーちゃん生まれたらどうなるの。もっと忙しくなるんだよ」
 そう言われてみると、たしかにぼくは、忙しい忙しいと思っていました。けれど、妻が妊娠しても、ぼくの生活は実際にはそれほど変わらないはずです。
「わかった。そうだね。11時半までにすべて片づける。そうすれば1時間は自分の時間が持てるもの。将来につながる本を読んだり、ホームページを更新したりする」

 助産婦さんから、風邪をひいてしまってうつすといけないから、日曜日の検診の予約はキャンセルしてほしいと電話がありました。今月は無料券で病院へ行ってもらってもいいですよ、とのことでしたが、妻は、「それなら今月の検診はやめてもいいかな。3000円ほかのことに使えるし」と言いました。


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