2003年03月26日(水) |
やはり歌舞伎は面白い |
本当に久しぶりに歌舞伎を見に行った。3月歌舞伎座夜の部千秋楽。いやー非常に満足した。
学生のころはほぼ毎月、歌舞伎座に通っていたんでよ。おいらのじいちゃんが歌舞伎が好きで、ある時、「歌舞伎見に行ってみないかー」ってさそわれたのです。そのころの鼠小僧、大学に入りたて、文学部日本文学科に入ったからには、日本の様々な文化・芸術を吸収しなくてはと燃えておりまして、で、じいちゃんのさそいに乗って、観劇にでかけていたのです。 で、最初のころは「まあまあ面白い」という程度だったのですが、回数を重ねていくうちに、「こりゃーめちゃくちゃ面白い!」って芝居に出会うようになったのです。 そうなると、その面白い芝居を探すため、じょじょに歌舞伎座に足を運ぶ機会が増えて行き、気がつけばほぼ毎月、歌舞伎座へといったような状態になっていたのです。
大学を卒業してからは、なんだかんだ忙しく、なかなか観劇に行く機会がなくなってしまい、じいちゃんに「また行きたいなー、今度時間作るから連れていってよー」なんてことを言ってはいたのですが、じいちゃんも仕事をしていたのでなかなか時間が合わずにいるうちに、今年の1月に他界。 もう一度ぐらいじいちゃんと歌舞伎座に行きたかったなーなんて思っていたある日、10年近くおいらが世話になり続けている、Aさんと酒を呑んでいた時、ちょっとした話から「今度歌舞伎に行こう!」という話しになったのです。 で、さっそく歌舞伎座の演目を調べてみたら……3月夜の部「与話情浮名之横櫛」とあるじゃないですか。これだ! と思いAさんに早速メール。Aさん「それだー!」というわけで、本当に久しぶりに、歌舞伎座に行くことになったのです。
この芝居、おいらがじいちゃんと歌舞伎を見にいくようになり、「こりゃーめちゃくちゃ面白い!」と思って、歌舞伎にはまっていくきっかけになった芝居のひとつなのです。
「与話情浮名之横櫛」通称切られ与三と呼ばれるこの芝居。春日八郎の名曲「お富みさん」のもとになった物語です。めちゃくちゃ美人の人妻お冨に惚れて、浮気をした大きな店の若旦那与三郎。お冨の旦那にばれてづたづたに切られてしまいます。お冨もショックのあまり、海へ投身自殺……のはずだったのですが。数年後づたづたに切られながらも一命を取り留めた与三郎。しかし店からは勘当されてしまい、やくざ稼業をするまでに落ちぶれていた。と、ある日仲間とたかりにやってきた大家で、その家の奥方になっていたのはなんとお冨だった!
お冨と与三郎が再会をはたしてからの名セリフがまたいい! 「お冨、久しぶりだな〜……生きていたとはお釈迦さまでも……」 おまえのせいだ、地位も名誉もなにもかも失ったんだ!死んだと思ったのにのうのうと生きていやがって、しかもこんないい暮らしをしてるとはいったいどういことだ!
てな具合にうらみつらみを言うのですが、このあと、お冨の主人が帰ってきて、さらに二転三転あり最後は、お冨と与三郎がお互いの愛を確かめ合うといったところで、芝居は幕。ストーリもいい、セリフもいいで、今回も本当、堪能させてもらいました。
さらに今回は千秋楽ということもあったのか、芝居の途中、与三郎役の仁左衛門がアドリブで舞台下まで降りてくるといったハプニングもあり、非常に楽しんで帰ってきました。
一度行くとまた行きたくなる! こりゃーまたしばらく歌舞伎にはまりそうだ! さて、来月は……
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