本題の前に : 夏にはアゲハの幼虫がたくさんついたミカンの木、今朝見ると、なにやら大きなウンコが葉っぱの上にいくつかある。アゲハのものではないし・・・と思って目を凝らしてみると、はい、しゃくとり虫発見。ヨモギエダシャクという種類らしい。気持ち悪くない方は写真をごらんあれ。アゲハがいなくなってから、アブラムシがたくさんつき、それに蟻が山ほどついて、いかにも新芽がいじけていたので、物置にあった期限切れの殺虫剤を散布。アブラムシ即昇天、蟻退散、あっというまに若葉が何枚か出て、枝も育って複雑な気分でいたところに、このしゃくとり虫。殺虫剤が残留していないといいけれど、ちと心配。 今日も本来なら富士山だった。そのために、もともと約束していた仕事をキャンセルしていたので、ぽっかり空白の一日となった。そこで、山種美術館の「速水御舟展」に出かけた。 何年か前、同じ山種で「炎舞」を見て、これが日本画?!と驚いたものだ。今日も出ていたが、炎に集まる蛾(蝶?)の壮絶な感じがする一枚。でも、今日のお目当ては、ポスターにも使われている「名樹散椿」。ゴージャスにして静謐な屏風。リアルなようで、よく見ると絶対リアリズムじゃない。日本画は具象的だとばかり思われているけれど、実は非常に象徴的な描き方をするのではないだろうか?「翠苔緑芝」もよかった。芝の緑が実にいい。 御舟は大観に激賞された人だそうだが、確かに大観の朦朧体?のように画面に水蒸気をうまく描いた(というか、のせたというか)作品もある。長生きして大観みたいになっていたとしたら嫌だな。時には早世もいいとちらりと思う。 とはいえ、晩年のもので、西洋画のような裸体スケッチが出されていた。こういうものを日本画としてどう完成させるかを提示しないまま、なくなったことはやはり残念。 月末に「新日曜美術館」で御舟を扱うので、なんとしてもその前に行っておきたかった。あの番組はどうも押し付けがましくて、えらそうでノーサンキュー。それにあれに取り上げられると、どっと混むのだ。 帰りは千鳥が淵にそった遊歩道を歩く。お堀のボートが、昨日の雨で湯船のように水がたまっていて、沈みかけながらかろうじて浮いていた。ホームレスの人が家財道具を干していた。薄気味悪いが、被害者にこそなれ、加害者になるなんていう自殺行為はしないと信じて、知らん顔で歩く。 この秋は、もう一ヶ所、千葉市立美術館の岩佐又兵衛を見ておかないといけないから忙しい。
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