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犬がらみヨタ
このところ暖かいので犬の調子がよい。病気のせいだけでなく、年のせいだと思うが、だんだん痩せてきて、尻の骨やら肩の骨やら、手で感じられるようになり、ちょっと悲しい・・・けどまあ、11歳だもんね。
出掛けに、うちのよりもっと老犬―ほとんど骨に皮を張っただけの子―を連れた顔見知りのお婆さんに会う。ワンコが外へ出たがる限りは出してやるのだ、と前に聞いた。当のワンコはゆっくりゆっくり、足を引きずるように歩く。傍目には痛ましいけど「お散歩が出来ていいですね」と挨拶をすると、お婆さんいわく「お宅さまはお若いのにご病気でお気の毒なことでございます」。思わず絶句、次の瞬間、お婆さんのやんごとなさを見直した。
犬がカウントダウン状態になってから、犬グッズや犬本を見る気がしない。ひところは犬本のコレクションをしていた。犬猫本についていえば、9割は屑だと思う。大体、赤ん坊の話とペットの話には屑が多い。その立場にあれば誰もがそう感じるようなことを、いかにも自分だけが発見したような独りよがりの筆致になるからだろう。素人臭いってそういうことかもしれない。いわれれば、そうそう、ということなのに、自分では全然気づいていなかった、というようなことが書いてなければ、つまらない。飼い主の気持ちにしても、犬のしぐさにしても、である。
クリスマスが近づくと、今年もご贈答用の犬本、猫本があふれるだろう。でも、もう見ない。
私のお気に入りの犬本は、1冊だけ、といわれたら、『犬、最愛のパートナー』(J.W.ブラウン、絵J.T.ウィリアムズ)晶文社をあげる。タイトルはめちゃめちゃダサい。どーしょうもないくらいひどい。原題は“Simon, The Pointer”という。これを読んでほろりとしない人とは絶対お友達になれない。
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