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なつかしや、 お子様バイオリン
来年のバイオリン発表会に向けての保護者打ち合わせ会に行く。息子は今春先生を変えたので、私はOBの母で楽隠居なのだが、世代交代が進んでいないので、推し進めに出席。要するに若いママたちに仕事を押し付けるために行く。
うちの先生は音楽以外のこととなると、蚤の心臓なので、保護者が守ってあげなくっちゃ、という心境。したがって、発表会がらみの会計その他雑用全般を保護者会で行う。実行委員長は以前から別の人がやっていてくれるのだけれど、古株のおばさんが一人いるほうが何かと便利なので、これまで使われてきた。やり手の実行委員長の暴走を止めたり、話し合いを適当に進めたり、と、そんな役回り。(考えてみれば、私はどうも実行力のある人の調整役みたいな仕事をすることが多い。猛獣使いといわれたことも・・・。)
なかなか充実した話し合いとなり、世代交代も無事進み、夕食時にその会の話となった。息子が「ぼくは最初の発表会で何をひいたんだっけ?」というので、13年前の録音テープを取り出して、家族一同大笑い。ほとんどエンドレステープのように単調なゴセックのガボットが入っていた。リアルタイムで聞いたときは、小さいのに立派なもんだ、と感激したのだが、今聞くと、こんなものにつきあわせてお客さんに申し訳なかったと思うばかり。
そのあと、9年前のものを聞く。エックレスのソナタであった。このときは、会場で聞きながら、叙情的なフレーズがよく歌える子だなあと思ったし、今聞いても、その印象は変わらない。だいたい、彼は今でもそういうフレーズが得意だ。
このときのテープに、親の私がデュオをしたのが入っていて、これには涙がでるほどの大爆笑。相方は都内の区立保育園のいまや園長先生なのだが、ご詠歌のごときスローテンポ、ノン・ヴィブラートで粛々とひいている。音程は常にふらつき、はらはらさせるし、おまけに途中で、ぱたっと音が止まる(相方が忘れた)。よくぞまあ会場の人が黙って聞いていてくれたものだ・・・以降、先生は大人の生徒にソロをやらせない。
すっかりなごんだあとに、先生がよくぞここまで教えてくださったものだと電話でお礼が言いたくなったが、言われたほうは突然で面食らうだろうから、やめにした。バイオリンってまともにひけるようになるまでに、凡人の場合は案外長い時間がかかるものだなと思う。
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