書泉シランデの日記

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たまには自分のヴァイオリンのことも
2004年11月18日(木)

午前中、ヴァイオリンのレッスン。午後から仕事。
今回、エチュードが美しくひけて、とりあえず満足。でももう1回見てもらうことにする。エチュードが歌えるようになると、結構楽しい。(まっとうな曲はそこまで行きつけない。)曲があがると子どものときはうれしかったが、大人の今は「あ〜、新曲、めんどくさ〜」である。だって、そこそこひける曲を磨くほうが楽しいじゃありませんか。譜読みからえっちら、おっちらやるのってホント疲れる。

1曲を長くやると飽きるということをよく聞くけれど、私はどうもそういうタイプではない。長くひいていても、あらら、とその曲の新たな魅力を発見することが、私ほど下手でもどこかしら出てくる。この繰り返しに耐えるのは名曲だけ。それは文学と同じだなあと思う。「おくの細道」とか「徒然草」とか、古典は何度読んでも読むたびに、それまで気づかなかったことに気づく。駄作は逆に読むたびに最初の感動が色あせる。

今やっている曲は、教室仲間の高校生が中学生のときに発表会でひいた曲なので、そのときのCDを聞きながら練習する。音程や何や疵はあるけれど、いかにも青春の抒情を歌い上げているので聞きほれる。彼がメニューヒンの演奏だという同じ曲のCDを貸してくれたけれど、それよりよっぽど彼自身の演奏のほうが訴えるところがある。素人の演奏には、プロ以上にその人の感性があらわになるからだろう。その感性がなくて技術だけでひく素人の演奏ほど聞いてつまらないものはない。というわけで、彼と同じ曲をさらう私は、「青春の日は遠く過ぎ去り」という気分でひく・・・けど実際には、「中年老いやすく楽鳴りがたし」という気分に追いやられるのだ、ははは。




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