書泉シランデの日記

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山口晃展ほかハシゴ
2005年11月23日(水)

夕方、三越で「山口晃展」見ることは家族イベントとしてかねてから決まっていた。それだけのために日本橋まで行くのは面倒、さりとて盛り場を出歩けばお金が消える。長居して財布にやさしいのは美術館。そこで一念発起して都美の「プーシキン美術館展」へとでかける。

混雑は覚悟の上とはいえ、人多すぎ、多すぎ、多すぎ。上野公園なんだか、駅のコンコースなんだか。展覧会そのものは都美とは思えぬゆったりとした展示で◎。絵の分量も手ごろ。個人的にはもう印象派はいいよ、なのだけれど、きれいなことは間違いなし。ピサロ「オペラ大通り、雪の効果、朝」イチオシ。マチスの「金魚」も実物はやっぱり立ち上ってくるものがありまんな。

一通り見ても、まだ約束の時間までに間があったので、同じ屋根の下、日展に行く。日本画だけ見るつもりで、まさにそうしただけなのだが、まあ、似たような大きさの絵がいくつもいくつも次から次から・・・画題と画法でいくつかのカテゴリーに分けてしまうと、個性が半分くらい埋没しそう。どの絵も会社の受付に飾ったらきれいよ〜ってなもんで、やんなった。やっぱり日展はお師匠さんとか知り合いとかの絵を目指して「あった〜」「これだ〜」と叫んで終わりにするのがよい。

ようやく日本橋に出て、家族集合で「山口晃展」。これはたっぶり丁寧に堪能して、面白かったです。あの細密性は画集じゃ到底再現できません。描きたいものを描くだけの確かなデッサン力には驚きます。細部の遊び心たっぷりで、これを見ないなんて同時代人の甲斐がないってば! 三越のポスター描いた人です。ファイン・アートに対してはいささか物申したい人のようですが、難しいことを抜きに、私はこの人の絵、すごく楽しいと思う。表現の「可能性」を感じます。(日展では表現の限界とか閉塞とかいう言葉が頭に浮かんだ。)

3ヶ所はしごしたら、さすがにちょいと疲れました。それにしても、東京一極集中って、こういうことなんだろうなと思わせるこの秋の展覧会の多さ。とりあえず東京に住んで享受できるのは幸いというべきでしょうが、よく考えると、コレデイイノカって・・・。



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