書泉シランデの日記

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庄司紗矢香@サントリー
2005年11月29日(火)

2年ぶりのリサイタルでした。
この春、メンデルスゾーンのコンチェルトを聞いたとき、徹底的にうまいけれど、なんかなあ、と思うことがあり、その思いが拭えないままリサイタル。

シューマンのソナタ、音が響かない。ホールのせいがあるにしても、疲れました。

ショスタコヴィッチ、さすがにお見事。この曲をこれだけひける人はそうたくさんはいません。そして第3楽章の頭で堂々とあれだけ大きないびきをホールいっぱいに響かせるお客も。(本当に静かなところで、延々いびきがヴァイオリンにかぶるんです。犯罪的でしたね。)ただし、ライティングまで演出したのは、私としては「あざとい」印象。

シュトラウスでちょっと気持ちよくなったかなあ・・・ショスタコはくつろげるという曲じゃないもの。

観客は熱狂的に感動していた人が半分、案外あっさりしていた人が半分ではないでしょうか・・・私はあっさり組です。これまでぐんぐん伸びてきたあの健やかさの頂点が2年前のリサイタルだったように思います。今は成熟への過渡期なのかもしれませんね。少なくとも、私には彼女の訴えがよく聞き取れません(いい加減な耳ですから)。

やや気になったのは、この人、腰でも悪いんじゃないかってこと。おばさんらしい余計なお世話だと笑わば笑え。でも、あの弓を振り上げて、上体をえびぞらせる巫女めいた演奏スタイルは長く続けれられるのでしょうか。今日のいでたちはややエスニックなドレス、足元はフラットシューズというか、女子体操の選手が履きそうな靴でした。結構動き回ってひく人だから、足音をたてないためかもしれませんが、どうなのでしょう。舞台を降りるときに、やけに元気がよくて、弓を振り振り、上体を揺さぶらせながら入るのも、気になったんですが。(思い出すのは、キリ・テ・カナワの優雅な後姿・・・タメイキ)

庄司紗矢香、しばらくは聞かなくてもいいかな、と思いました。30歳くらいになったとき、また聞いてみましょう。今日の演奏はNHKで流すらしいです。音響的には録音のほうがバランスがよくなるかもしれません。いびきは消されるに違いありません。

サントリーはヴァイオリンには向いていませんね。



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