書泉シランデの日記

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思い出しては源氏物語
2005年12月14日(水)

ときど〜き思い出したように、というより、本当に思い出して源氏物語を読んだりする。文庫でそろえれば電車の中で読めるのに、大系だの全集だのというハードカバーは重いので持ち歩けない。

重いものを持って歩くと疲れる。

なので、思い出して半分忘れながら読むしかないのである。

柏木が死んで、夕霧がオヤジ(源氏)何したんだろ、と顔色見てみたり、落葉宮(柏木未亡人)の前で「いい人」を勤めてみて、勤めきれなくなったり、かと思えば、娘(落葉宮)のことをあーだ、こーだと心配する死にそうな母がいたり、子育てに追われながら、亭主に焼餅を焼く妻(雲居雁)がいたり、とずいぶんと通俗的なところを読んだ。この辺は韓流ドラマのネタになりそうだ。

大分前に、夕顔と雲居雁の恋は可憐でよいなあ、と思って読んだのに、こんなことになっちゃ全く現実感ありすぎでがっかりである。あのころ二人は健やかだったなあ。(←入れ込み十分)

こういう面倒くさい話は嫌いだ。よく書けているとは思うし、紫式部ってすごいな〜と思うが、人の心があれこれ乱れもつれるのを見せつけられるのは鬱陶しい。(私は韓流ドラマを見る根気のない人間である。歌舞伎も筋書きを読んでいるとどうでもよくなってくる。)

そうはいうもののそれでも「源氏物語」。源氏の世界が形成されていく様子よりは、綻んで崩壊していく様子のほうが遥かに面白い。大体、成功譚で面白いのは「わらしべ長者」くらいかも。



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