書泉シランデの日記

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みかん
2006年01月18日(水)

芭蕉の句に「夜ひそかに虫は月下の栗を穿つ」というのがある。(表記についてのご意見はご容赦。あんな字、探すの面倒くさいもん。)

芭蕉が大成する以前、といっても中成?くらいのときの作品で、たぶん立派なものなんだろう。自筆短冊にこの句が書いてあったら、いいお値段確実だ。

私がでたらめに想像するに、これは栗を焼いて食べようとした芭蕉先生、殻をむいたところで、虫食いであると発見・・・ちくしょー、人が知らねえ間に!という経験があったに違いない。せっかく大きい粒だったのによー、と布団に入ってからも悔しくてならない。悔しい、悔しい、虫のヤツ、いつの間に栗に入り込むんだろう、というわけで、上記の句が生まれたのである。

そんなことはどうでもいい。今日の話題は「みかん」。1年に1度くらいしか自分では料理しない栗なんてものより、冬じゅう食べるみかんのほうが、はるかに大事である。さて、そのみかん、かごにいれて住環境抜群にしておいても、ある朝突然、白いカビが生えている。前の晩元気そうでも、こちらが寝ている数時間のうちに、直径3センチくらいに白いカビが拡がっている。気付かず放置しておくと、今度は緑色のも加わって、その翌日にはぐじゅぐじゅになる。

これってなぜなの?
なんで予兆もなく、こうなっちゃうわけ?
月下の虫なんぞよりよっぽど「ひそか」よ。
はえてもいいけれど、気配くらい見せてくれたっていいと思う。これじゃさすがの芭蕉先生だって、灯下のみかんを犯すカビの句は読めまいに・・・。

ちなみに芭蕉先生ミカンの句
祖父親(おほぢおや)まごの栄や柿みかん
行秋のなを頼もしや青みかん 
・・・カビは詠んでおりません。ふたつ目の句はちょっといいかも。




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