2014年06月04日(水) |
真田十勇士@WOWOW |
日本テレビ開局60年記念舞台「真田十勇士」
今年1月と2月にやっていた舞台ですね。
マキノノゾミ脚本、堤幸彦演出。
出演は猿飛佐助・中村勘九郎、霧隠才蔵・松坂桃李、真田幸村・加藤雅也、淀殿・真矢みき、火垂・比嘉愛未、などなど。
マキノノゾミ氏の作品をまったく観たことがないうえに、
堤幸彦氏の舞台演出も「琉球ロマネスク テンペスト」(仲間由紀恵主演)しか観たことがなかったので、
なんとなく見送ってしまっていました。主演のおふたりには興味あったのですけどね。
堤幸彦氏と言ったらわたしの大好きな「SPEC」ですが、映像と舞台の演出は別ものだろうし、と。
面白かったですー。
天下の名将と言われた真田幸村(加藤雅也)、実はその評判とはうらはらに、本人はいたって平凡な武将。
その幸村のもとに押しかけ家来となった猿飛佐助(中村勘九郎)は、忍びの里を抜け出した後は、
あちらこちらで「自分は○○のご落胤」と派手な嘘をつきながら世の中をわたってきた。
佐助はその嘘つきの才能を生かし、幸村をさらに名将にしたてようと、
「真田十勇士」なる仲間を集め、軍略をめぐらし、それを幸村に授け、徳川軍に挑むのだが・・・というお話。
あたりまえですが勘九郎がすごすぎです。
まったくスキのない八面六臂の縦横無尽のやりたいほーだい(に見えて緻密)の大活躍。
舞台上の活き活きとした勘九郎の姿は、ますますお父上を彷彿とさせるようになってきましたな。
ステキに確実に受け継がれている千両役者の血。ほんとお見事。
霧隠才蔵の松坂桃李くんがクールでカッコよくて、いい感じにボケてくれて、もちろん殺陣も慣れたもの。
唯一のくのいち・火垂(ほたる)の比嘉愛未嬢は初舞台だそうですが、めっちゃキレイで、かわいくて、
声も強くてフライングも堂々たるもので、紅一点のステキな忍びでいらした。
佐助も才蔵も火垂も、ちょくちょくうすら寒いギャグを言わされたりやらされたりしていましたが、
これはきっと堤幸彦指令に違いない。
でもそんなこともラブリーさに変えてしまう出演陣が素晴らしかったです。
そうそう、公式サイトのビジュアルではキャストの衣装もメイクも、
まるで全員おそろいのように落ち武者風の地味さだったのですが、
実際の舞台ではもっと派手できらびやかでカッコいいものに変わっていました。
フライングも多用していて、桃李くんと愛未ちゃんは特に、ただ飛ぶだけでなく、
空中で前にくるくる、後ろにくるくる、横にもくるくる、まわるまわる。
この美男美女の間には複雑かつツンデレな感情があって、それもとても眼福。
でも、誰よりも目を引くのが、やはり勘九郎。
運動量のすさまじさ、動きのキレの良さ、セリフ量の多さ、間の巧みさ、そしてあの表情の豊かさ。
何から何まで、引き出しが多いにもほどがある、という感じです。
いつも言ってる気がしますが、歌舞伎役者おそるべし。
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