2014年06月06日(金) |
BORDER最終回「越境」 |
最後の最後の最後まで、こんなにドキドキしたドラマは本当に久しぶりです。
石川がふわっと手を離したところで「え?」
後ろからあの顔が現れて「えええええええーーーーー!!」
ゾっとした。
やられたー! と感動もした。
ハンパな救いなどまったくない、潔いほど重苦しい結末。
「越境」というのだから、最終話では石川があの絶対悪を道連れに、
自分もその境界を超えて死んでしまうのかな、と思っていたのです。
でも超えてしまったのは、生死の境ではなく、正義と悪の境。
石川にとっては、正義の側にいるということは生きるよりどころでもあったろうから、
それを超えてしまった時点で、石川は死んでしまったと同じような気もします。
でもまだ生きてる。「殺人者」として。殺された安藤も殺されてなお勝ち誇る。
この石川をどう救ったらいいの!?
わたしの感覚では、
罪の意識を一生持つこともなく、傷つけるわ殺すわの馬鹿者どもに人権なんて認める必要はない、
一生閉じ込めておけ、それができなければ無き者にしてしまえ、と思うのですが、
思うだけで手を下すことなんてもちろんできません。
でもその手段や力を持っている人なら、ふとした瞬間にそこを飛び越え、
いつしか本物の悪になってしまうこともあるのかもしれない。
せつない。石川がせつないーー。
赤井の「焦るな」は最後の、そして何よりも重要なアドバイスだったのに。
助けられない命があったとしても、それは「運命と思うしかない」という諦観も、
石川にはもはや受け入れがたいことになっていたのでしょうね。
石川のことを心配していた表の仲間と裏の仲間のことを思ってもせつない。
4話で、爆弾魔に倒れた石川、立花、比嘉が、病院の屋上でしばし戦士の休息をとっているほっこりなシーンが
懐かしくも哀しい。
9話まで積み重ねてきたエピソードの終着として、納得のラストではあるのだけど、
なかなか消化できないほど衝撃だったのも確かで、
昨夜は「MOZU」も「続・最後から二番目の恋」もまったく観る気になれませんでした。
さらに、今朝起きてみてもどうも眠りも浅かったような気さえする。
小栗旬くんの演技が本当に素晴らしかった。
ただ立っているだけでも、全身からありとあらゆる感情がほとばしるような、
殺気迫る表現力に圧倒されっぱなしでした。
今まで観た小栗旬くんの役の中で、一番好きかもしれない。
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