憂鬱だった今日。
儚かったとそう感じていた今日。
それが『昨日まで』に変わった。
『今』は、そう感じていない。
真っ只中に居る人には、
きっと儚さなどは感じない。
暑い夏。
きっと短い夏。
儚いと、懐かしいと感じなくなったのは、
過去を過去と認めたのだろう。
人が決めたはずの境界線は、
結局必然で、大きな流れの中の一つで、
誰も客観的になんてなれないから。
小さな。ほんの小さな点が。
儚かった。抱きしめたかった。
抱きしめて欲しかった。愛したかった。
愛していた。ずっとずっと好きだった。
きっと・・・たぶん。これから先も、ずっと。
客観的に、他人事のように。
そうすることで護れるものは護るべきものじゃなく。
護りたいものでもなく。
結局失うものの方が多かったから。
何回手を伸ばそうとしたかな。
何度躊躇したのかな。
何度泣いて、何度目を逸らして、
手に出来たものは、どんなものだっただろう。
私が欲して手に入れたものとは、どんなものだったのだろう。
手も足も在るのに。
目も耳も鼻も口も在るのに。
心もちゃんと、ここに在るのに。
見えないけれど、きっと。
翼も、ちゃんと在るから。
ちゃんと、在るんだから。
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