“怒髪天”。
と言うパンクバンドがある。
Voの増子さんと言う方が、ある時、ギタリストがライブなどでよくやる、
キュィィィーーーン!
と言うのがしたくなって、フライングVを購入した。
ちなみに氏のギター歴はゼロである。
で、ギターを握ってみると、指は五本しかないのに、弦が六本ある事に気付き、ペグごと弦を一本引っこ抜いてみた。
するとヘッドにペグの穴が開いたので、キーホルダーをぶら下げているんだ。
と言う話しを聞いた。
思わず納得してしまった。
むしろ、共感してしまったと言うほうが正しい。
僕がギターで曲を書くとき、指は二本しか使わない。
マイナーコードと、メジャーコードの区別がイマイチわからんのだ。
と言うか、ギタリストの皆さんは、あんなに早いコードチェンジを、さらりと事も無げによく出来るもんだと関心している。
ドグマ散ルのギタリスト二人は、
『ぴろぴろ担当』が華秀くんで、
『ジャカジャカ担当』が、ゆっキーだ。
スタジオで二人が、コードがどうたら機材がどうたらの話しになると、僕はひたすらお茶を啜りながらタバコをふかしている。
基本的に曲は全部櫻が書いているのだが、コードを付けたり、アレンジを考えるのはメンバーに任せきりだ。
アレンジに関しては、唄が入らないなど以外は、あまりクチを出さない。
つか、出せない。
つか、何を言っていうのかよく解らんのだ。
ダ〜〜〜〜〜〜〜〜ッと理論を展開されても、「ハイ」しか言わない。
それがスマートに曲を完成させる近道だと最近気付いた。
曲のイメージを、最初に言葉で伝える。
ゴッゴッ!みたいな。とか、
バガチャァァァァン!!みたいなとか、そんなキーワードを元に、全員がアレンジするのだ。
メロディラインに付けるコードはコレとこれとコレとアレのどれがいい?
と聞かれると、「アレ」とか、「コッチ」で答える。
まかり間違っても、Gマイナーセブンイレブンみたいな単語は知らない。
ギタリストはエラいな。
と思う。
ギタリストとはテニスプレイヤーに近い感覚なのかもしれない。
僕は学生の頃、ずっと剣道を嗜んできた。
武道は理論ではない。
精神論だ。
「歌」を歌うと言う事は、もちろん理論があって、科学的な発声の根拠もあるのだが、最後は「気合」だ。
ライブで暴れさくり、声も枯れ、息が切れても、最後の歌詞まで歌い切るのは「気合」だ。
浜口親子みたいなものだ。
と思っている。
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