ことばとこたまてばこ
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太鼓の鼓動。
その響きは遙かな太古から伝わる音だと、知った。
その音はおれも知っている、楽器の奏でる唯一の音でもあった。
太鼓の鼓動は太古へと駆ける音と信じ、おれは全身を鋭敏に澄ませてみて。
爪先から太鼓の響きが潜り込む。指が強烈に震えた。
両腕が大気中を伝播する太鼓の振動を感じ、奮えた。
顔面余す所なく音の渦に溺れ、全身は鳥肌にまみれて。
いわば原始的な音でもって、おれは遙かな過去の人間の心臓の鼓動を知り、太古の音をも感じ、魂は奮えるばかり。
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