ことばとこたまてばこ
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2004年12月08日(水) 火の哄笑

赤色が私と幼子に熱湯を浴びせかけた。

皮膚はただれ、烈火に晒され続けた鉄球が全身をごろごろ転がり続けて。
ほんと、熱くって。
幼子、顔が赤く染まってる。

鉄球の転がった痕は火傷の黒き線が引かれ一目瞭然。

今や赤色はまるで火の様。
せせら笑ってチラチラ、姿形をまんべんなく変えるたびにわたしを嘲る。

くわはは、あの馬鹿、見ろよ、まったく面白いったら!そんな声、聞こえた。


誰もが我と同一と思っているん?

火、ますます燃えさかって大爆笑。
くわははははは、あの馬鹿、見ろよ、まったく面白いったら!紛いもなく、聞こえた。


いつまでも嗤い嘲る火を知らぬ幼子に、わたしは火という存在を学ばせる。
火は笑い続けて、幼子とわたしはエメラルドのように美しくて暗い森の中でひしと抱き合った。


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