ことばとこたまてばこ
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2005年02月02日(水) |
誠に愛するべきに足るお空様 |
ふはっ、見ろよ。この雄大な空をサー!青く限りなく広大なる空!雪のごとく純白なる雲!くわっぱ。まいるねどうも。んーん、ふっふっふー、おれって空が好きでさね。はっ、だからこんな空の日にはどうも心躍ってたまんねぇよ、ショーミの話サー!
っておれ傲慢に口端をゆがめほくそ笑んで。 したらば、空怒髪天をお衝かれになられた。
あんさんなにあたしを舐めてん?ほっ、凄まじき度胸であることよなあ。至極哀れね。ってんで、空暗転。黒雲が立ちこめてぎゅるぎゅるの土砂降りで、文字のごとく水滴の一粒一粒がまるで土砂のように身体を打って、いてぇよ、眼も開けられぬ、息もできぬ、体温は根こそぎ奪われガタガタ肺炎と寒気による震えはやむ気配をちくとも見せず、くわっ、ひでぇ、と思う間なんてのもありえなく続いて豪雪が降り寄せ、一瞬のうちにほどんど雪達磨のように白き人になったおれは体温は根こそぎ失われ、凍傷で指先足先はどす黒く壊死した。
はらほろひれはれ?と思い、そしてこれが最後の思考かい?とちびりと悲しみを覚え、はは、みなさんさようならと覚悟を決めたところに再び青空が戻り、太陽が空にそびえ、その暖かみはまるで菩薩様の微笑みのようで凍り付いた身体も歓喜のあまり打ち震え、あちこちから下がる氷柱も溶けて、ふわあ、生き返ったよう、気持ちええよう、と感謝感激雨霰の情感を空に向けたらば、以前として空はおれを睥睨するばかりで、え?なに?まだ怒ってはる?っと思ってたら、は、喉乾いたね、は、どこぞに水分は、と探し求めるがいずこの水分も蒸発して無くなっており、はっはーん、マリーアントワネットは言いましたぞね、パンが無ければケーキを食べろ、とね、だったらジュースをば、って甘いよ甘いよ甘いよおれ、あるわきゃねぇじゃんネー、あっても腐っており飲もうとしたらば一撃で腹をぶちこわすこと疑い無きものであったよ、ほらね、だめなの、って乾いて乾いてカラカラにひらかびるのだけれど、容赦なく照りつける陽光に体内の水分は更に蒸発していって。
あーん。そんなチビシーあなただから好きになったのよさーと死言を述べたらば、あらそうなのだったらはよいいなさいよねって、ほっほ、新春の新秋の穏やかな気候にやわらかい風を運んできた空様。いぎがえっだだようー、とおれ感涙にむせぶ。
あのお方という者はまったく気まぐれであり、まったく予測不可能であり、まったく変動に満ちており、全身全霊をもって愛するに相応しきものであることよなあ、とつくづく実感の今日この頃であった。
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