ことばとこたまてばこ
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2006年11月26日(日) 少年はレール上で我に返った

紺碧の空と妙にくっきりと白い雲のすきまで
黄色い月が凍るようにさえざえと光る冬の夜
あまりの寒さに耳が赤く染まっているおれ
いともたやすくおれの心はストンとおっこちた
何かをしようという気力がまったく萎えて
どれだけ自分自身がミットモナイ存在か
どれだけ自分自身がナサケヤシナイ存在か
そんな思いばかり びん 骨身までこたえた


ずっずっずずず
ずっずっずずず
ずっずっずずず


気づけばおれは補聴器を外して
まっすぐにつらなる線路を歩いてた
家々の光も眼に入らず
夜の囁きも耳に入らず
なにもかもが無くて

うつむいていた顔を前に向ける
するとやがてやってくる
おれをひきつぶす
白い人工的な光がふたつ
レールを響かせて


ぢっぢっぢぢぢ
ぢっぢっぢぢぢ
ぢっぢっぢぢぢ


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