やたら魅力的な雰囲気を存分にはなちたてている人物が高台より群衆へ向けて拳を握りしめ唾を飛ばしながら口を動かせていた。「まわりのみんな、目がこわいよ。どうして?」生まれつき声を聞いたことのないちっちゃな音無し子が問うた。ちっとおっきい音無し子は少し考え、答えた。「あの人の声の色にみんなが染まっているんだ」