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児童調査表、入学前に提出しなければならない大事な書類で、今日は その提出日。 名前は何だかお堅いが 内容はそうでもない。 連絡先とか、家族構成とか、通学路とかを書き込む。 堅いとか言うより、やはり大事な書類と言う感じ。 子供の健康状態、過去の大病の有無。長所短所。 長所、短所・・・。
長所が多過ぎれば、親馬鹿っぽく見えちゃうだろうか? 謙遜していたら、文字通りに 解釈されて、不必要に警戒されたりしないだろうか。 親は思わず自意識が過剰に。 だって、こんな年頃の子供の長所短所なんて、結局どっちも おんなじような もんだからなあ。
気持ちが優しいから気が弱い。活発で乱暴。面倒見の良いお節介。 好奇心の強さから来る落ち着きの無さ。 ・・・まあ、目安程度の事なんだろうけど。
長所1行に対し、短所2行。幼稚園の先生が卒園時に息子に仰って下さった事を そのまま流用した物に更に親から見た短所を加えた。 何書いたって、先生をびっくりさせちゃう時はさせちゃうんだしねえ・・・。
ええと、後はなんだ?・・・『特技』。 特技?? 6歳の子の特技?ああ、ピアノとかの事かな。う〜ん、好きな事とか得意な事 ならまだ判るんだけど、特技と聞くと「舌で鼻の頭が舐められます」とか 「掌を裏側に反らして手首に付きます」とか、そう言うびっくり人間みたいな事しか 浮かんで来ないこちらが少しおかしいのか? おかしいんだろうな〜。
近所の子は自転車の手放し運転を『特技』として見せてくれる事があるが それはここで言う特技じゃないんだろうし。 他所の息子さんでも こちらも慌てて注意しちゃうくらいだからね、やっぱり危ない。 でも特技って言葉には ちょっと無茶なって言うニュアンスが含まれている気も するんだよなあ。考え過ぎかあ。
ふうむ。ピアノ、一輪車、水泳、サッカー。この辺りかな。 やっぱり得意な事程度だと思うんだけど。どちらにせよ うちのはどれも 得意とは言えないな。 だけど欄はでかい。空欄にするのも目立つかと「ありません」とでっかく書いて やったらば、空欄のままより 遥かに目立つ事に。
書類を提出して簡単な面談を受ける。 息子は何時にもまして支離滅裂、「今日は学校へ誰と来たのかなあ?」 「・・・?」 「今日は、学校へは誰と一緒に来たのかなあ?」 「・・・?」 おおい、しっかりしろ〜。
面談が終わり、教室を出る時 「あああ、緊張した〜」と一言、息子が言った。 私もばりばりに緊張していた。言う前に言われてしまった。
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