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♪ち、ちちちおっぱい〜ぼいんぼいん〜♪
幼稚園年長の時、息子が歌っていた歌である。園で覚えて来たらしい。 なんてえ歌だ・・・と思ったが、余りの馬鹿馬鹿しさに成人向けバラエティ 出の ネタでは無いなとすら感じた。もう、何と言うか この上なく下品だが いっそ 突き抜けた下品さを感じた。 「うんこちんちん」(byドリフ) みたいだ。あれもバラエティだが、今の バラエティネタは もう少し、悪い意味で単純じゃない。 「止めなさい」 歌の出所が判らないまま、何となく漠然と止めていた。
その歌の出元が 今頃判りました。「金色のガッシュ・ベル!」(原作は「金色の ガッシュ」)少年サンデー連載中の漫画で、アニメも放映中だ。
原作の方は読んだ事がある。でもアニメは観たことが無かったので一度観て 見たかったのと、友情とか努力とか勝利とか、適度に心を打つシーンもあり 子供でも観られるかなあ?程度の気持ちでビデオレンタルして、親子で一緒に 観る事にしたのだった。 そうしたら!
息子は喜んだ。「あの歌」の元ネタが判ったのだ。テレビでは振り付きで キャラクターが踊っている。私はと言えば不覚にも 余りのくだらなさに、息子と 一緒になってユルユルと笑ってしまった。
息子が歌いながら、自分で振付けて踊っている。止めなきゃっと思いながらも 懐かしいなあ、自分も良くやったな こんなお馬鹿な事・・・と、ともすれば悠長に 構えてしまう。駄目だ駄目だ。
しかも息子は歌詞を間違って覚えている。 この歌のタイトルは「ちちをもげ」と言う。意味は不明だ。もぎ取ると言う意味の 「もげ」では、どうやら 無い様だ。だが息子は「ちちをもめ」と覚えてしまった。 日本語的には息子の方が一般的な捉え方をしている。だが だからと言って、この場合 全然褒められた物では無い。かと言って「もめじゃない、もげだ」と教える事にも 大変な責任がかかって来そうだ。
振りの方も間違えている。 正しくは「ち、ちちちおっぱい、ぼいんぼいん」でこれは全部「乳」の事を 指しているのだ。下品だなあ。 だが息子は「ちんちちんちん」と言いながら自分のを指さしている。 おっぱいとぼいんは判る様子だ。 「それはちんちんではなくちちだ」と教えたところで「ちちって?」と聞き返される に決まっている。そして正しく歌い直しても やっぱりひどく下品なのである。
昔、ドリフの番組が「下品」とか「食べ物を粗末にしている」と言う事で 好ましくない番組としてしょっちゅう槍玉に挙げられていた。 「食べ物を粗末にしている」事が良くない事は子供心にも案外直ぐに判ったが 「下品」と言われても「面白いんだから別にいいじゃん」くらいに思ってた。 だが今、あの時の親達の困惑が良く判る。 今まで判らなかったのかと言われると困ってしまうが。
正しく歌っても 間違って歌っても下品。でも歌ってみたくなるんだろう。 幼稚園では大流行であった様だし。
結局、息子には「学校では絶対に歌っちゃ駄目」と言った。家でもなるべく 格好悪いから歌うな と言った。 ちんちんとかおっぱいとかは人前で言っちゃいけない言葉だよみたいな事を 汗を掻きながら説明する。一緒になって笑っていたので立場が悪い。 息子は 妙にすんなり納得した。
実はもう既に 学校で振り付きで歌ってしまって、女の子に強烈な視線を 浴びた後なのかも知れないと考え、現場で学ぶのがやはり一番なのかも 知れないなどと思う。場合によってはその後が、大変な事になりそうだが。
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