不機嫌なブーケ QLOOKアクセス解析

目次戻る進む


2005年04月27日(水) みちくさ。


子供を持ったのは初めてだ。弟は独身であり、これまで身近に小さな子が
いなかった。自身も子供であった筈だが、それに付いてはさすがに普段は
考える事もしない。私が子供だった頃と、全てはいろいろ変わってしまって
いるように思える。

軽い風邪だが連休を控えているので、罹りつけのお医者さんに連れて行かれた
息子。最近良く食べるので丸くなった顔が腫れ上がり、梅干のようだ。
学校から家に帰って、猛烈に泣いた。きっかけはみちくさだ。
一年生はもちろん、上級生も 通学路をどんどん家に向かって帰って行き
子供達の姿が途切れた。だが息子は帰って来ない。
「寄り道だ」 私は迎えに行く事に逡巡していたが、気が付いたら母の姿が
ない。勝手に迎えに行ってしまった様子だ。
しばらくして、祖母ちゃん(母)に叱られ 大泣きに泣きながら息子が帰って来た。

息子は友達と何人かでふらふらと何かを探したり、他所の家の壁を突いたり
して歩いていたと言う。みちくさには煩く言っていたので、帰ろうとする
素振りは見せるが、友達がまだ遊んでいるので また戻ってしまう。
仕方が無いので母が声をかけると走って来た。
家を前にして、息子が何かを大事そうに手に持っているのを母が見付けた。
それは尖ったガラス片だったと言う。ひい。
慌てて母がそれを捨てると、息子が大泣きを始めた。
「Sくんがくれたのに。宝物だったのに」
それはきっちり割れたガラス以外の何者でもなかったと母は苦笑する。一年生。
近所の仲良しSくんは、確かにいつも何かしら手に持って帰る。
一昨日は片手にレンガ、もう片方にボルトを持っていた。一体どこから。
「両手に持って帰ると、転んだ時に危ないよ〜」と、のんきに注意したりして
いたのだが、今日も宝物探しに熱中していた様子だ。

懐かしい。自分も昔やったっけ。確かあの時は、牛乳瓶の蓋だった。
「沢山あるからあげる」と言う女の子がいて、学校帰り、その子の家まで
行った。を貰って、その子の家を出て、角を曲がったところに自分の家が
あるとばかり思っていたのに、そこは知らない場所だった。
私は薬屋さんの前で泣き続け、そこで保護された

家に帰ってランドセルを開けてみるとほぼ空っぽ。早く宝探しがしたくて
道具を忘れて帰って来たという。私は叱り、道具を忘れて来るなら学校へは
行かなくて良いなどとお決まりの事を言った。みちくさについても叱る。

病院帰り、息子はアリゴロシの楽しさについて語ってくれた。
アリを排水溝に投げ込む遊びだと言う。生き物を楽しんで殺すのは良くない事
と、これまた在り来たりな事を言う。自分がこのくらいの大きさの頃は
でかいバッタを取っては後ろ足をちぎって、持ち寄っては自慢した物だと
この時になってようやく思い出す。
「オーちゃん(インコ)も、あんたの好きなワラジムシもアリも、生きて
いる事は同じ」
「ワラジムシには、そんな事しない。ワラジムシは好きだから、可哀想だから」
「ワラジもアリも同じ」 まあ、言っているこちらもどこか自信なさ気で
何かが伝わったと言う確信もないのだが。

それにしても息子は何故かワラジムシが好きで、発生を心待ちにしている。
先日、上級生にもらったと言う画用紙には、人まねであろうが、何とか
クワガタに見える絵の隣りに「へらくれすおおくわがた」と言うオリジナル
名前が書いてあり、更に隣りに大きな黒い丸を描いて「わらじむし」
大きくしたためてあった。



リリオペ  ブログほーむめーる

My追加