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2005年05月12日(木) 花のレタッチ。


多少のお金が自由になった頃だったんで、仕事はしてたと思うんだけど
ボタニカルアートの通信教育セット一式を購入した事があった。
これがまた、結構 高価だったんだよね。
ボタニカルアートと言うのは植物画、花の絵です。
図鑑に載っているようなリアルな、あの、まさに生えている様な絵。
あんな絵が描けたらどんなにか素晴らしかろうと思った。
お金でそれが出来るようになるのならばっ!

教材はしっかりした物だった。筆とか、15本以上は入ってたと思う。
絵の具も、何と言うか乾燥絵の具(とは言わないか)がすごく沢山あった。
ある程度の課題をこなし、送ると添削されて戻って来ると言う。通信教育だから。
「スケッチブックをまず開きましょう」 はあい。
「では見本の線と同じように、線を何度も引いてみましょう」 はあい。
・・・・・・・・・・・・。
・・・駄目だあっ!!

諦めるのが早いと言う人も居るだろう。でも駄目だったんだもん。
手はブルブルブルブル震えちゃうし、何やってんだか、悲しくなるし。
そりゃあさ、お金出したら絵が描けるようになると考えたこっちも悪いさ。
いや、こっちしか悪くないさ。教材はしっかりしてたし。
結局、一度も添削指導には出さず、教材は仕舞ってしまった。
何時か何かの役に立つかななどとは、その時は全然思わなかった。
ただもう、辛いので消えて下さいって感じで。でも余りにご立派過ぎる品々
だったんで、捨てる気には さすがになれなかったってだけで。

この教材は後々、意外な形で役に立った。母の木彫り仲間の男性がボタニカル
アートをされていると言う事で道具に興味を持たれたのだ。勿論、喜んで
差し上げた。うちじゃ使わないもん。
購入から15年は過ぎていたと思うが、殆どの物が問題なく使えたと言う。
特に筆は、私にはさっぱりだが珍しいものが揃っていたそうで 喜ばれた。
その方はグラスエッチングもこなす器用な人で、うちの花写真をエッチングに
した美しい品をお礼に頂いた。

花の写真を加工する。
気に入った角度でちょっきんちょっきんと切って、フィルターと呼ばれる
物をかける。油彩とか色鉛筆とか、使い方も悪いんだろうけど 正直「そうかなあ」
と思われる仕上がりになっちゃう物もある。
でも何となく『絵』っぽくはなるんだよね。これが嬉しい。
目から頭に突き抜ける様な、言葉では巧く言い表せない綺麗な物やイメージ。
一枚の絵に出来たら、どんなに良かろう。
写真は確かに、イメージを切り取る事が出来る。でも後一つ 自分で何か加えたい
なあって気持ちがあった。不器用な割には 言う事が我が儘なんですが。

得意不得意は、そりゃあ確かに誰にでもある。
不得意だけど やって見たいっ。
でも不得意な物は、結局やっぱり不得意だったりするんだよね。
不得意と思っちゃった段階で、もう駄目ってのもあるだろうし。
でもまあ、全く別方向からのアプローチなら何とかなるかも知れないぞって
言う、そう言う選択肢が出来たって事自体 嬉しい話だ。

絵画とは無論違う。全く別物だ。勿論、判っての事。それでも ですね。






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