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2005年06月12日(日) |
スズメバチ巡回の季節。 |
外出から戻ってみると、少し前に家を出た母から留守電が。 「玄関に黒とオレンジの大きなハチが止まっていて驚いたから Rが学校から 帰って来る時、気を付けて見ていてやりなさい」 ふ〜ん、そんな蜂はいなかったように見えたけど。飛んで行っちゃったか。 息子の帰宅時間。 小学生の声が聞こえたので、そろそろかと思ったら もう帰って来た。 寄り道でなければ一番乗り。何故に中間が無いのか。 「お母さ〜ん、おっきいハチがいた」 むむう、やっぱり。 一応、庭箒を手に 再び外へ出る。だがハチの姿はどこにも無い。 「どんなハチだった?」 「花のところにいた。蜜を集めていたんだねえ」 のんきな。 「スズメバチだった?」 「わかんない。大きいハチだった」 「毛は生えていた?」 「生えてなかった」 ・・・・・・むむう。
6月の一時期だけだが、我が家にスズメバチの巡回が来る。 巣作りに適した場所を探しているのだろう。とは言え この辺りに巣を作った と言う話は聞かず、自然餌場も遠くなるので、以後やって来る事はほとんど無い。 うちに来るのはこれまで、専らキイロスズメバチだった。 オレンジと黒のハチ。・・・最悪のオオスズメバチを連想する。
一度仲間とパークゴルフへ行った帰り道、食堂で定食を食べていたらブ〜ン オオスズメバチが窓から入って来た。 「!!!!!」 店には若い男女ばかり十数人が居たが パニックに。 閉じ込められて怒ったオオスズメバチは ブンブンバチバチ言って飛び回る。 半べそをかいている女の子も居た。私は半べそが似合うお年頃を 微妙に過ぎていた。 私のツレは大きな身体を丸め、何と私を盾にするではないですか。 その時、新聞紙を丸め 果敢にハチに立ち向かって行った無茶な男が一人いた。 もっとも、びびっていると失敗しがちだが、結局ムシ1匹叩き落すだけの事。 ガチガチ言うハチに向かって 冷静でさえ居られれば何て事はないんである。 彼は飛び上がって、スズメバチに鋭い一撃を食らわせ、テーブルに落ちたハチに 悠々と止めを刺した。 彼は、その時 定食屋にいた 全ての女性から賞賛の眼差しで見られた。 男性諸氏は ヒーローを前に彼女を横に、複雑な思いであったろうと思う。 怒って暴れるオオスズメバチは、ちょっとそれほど怖いです。
母が帰宅した。 「ねえ、やっぱり玄関にハチがいたって。スズメバチなんじゃないの?」 「・・・判らない」と母。 「毛、生えてた?」 「生えてたねえ。毛はたくさん生えてた」 スズメバチは毛が生えてると言う感じのしないハチだ。生えてないからだ。 大人しいハチは大抵 毛が生えている。毛に花粉がくっ付くのだ。 「・・・ムシ辞典を持って来よう」 オオスズメバチを見せる。 「ああ〜全然これじゃなかった。もっと毛が」 しばらくパラパラ見ていた母は突然「ああ、これだ、多分これ」 ミツバチ。 ミツバチは案外と大きく見えるハチだ。襟巻きも堂々と立てる音も大きい。 でも花畑では大人しい。たまに写真などを撮りに仕事中の花畑に入ると 「ぶぶ〜〜ん」と嫌味な音を立てて去って行く。水撒き中は待っている。 「息子よ、ではあなたの見たハチもこれでしたか?」 ミツバチを見せてみる。「・・・・・・わかんない。大きなハチだった」 「ではこれでしたか?」 オオスズメバチを見せてみる。 「違う、全然これじゃない」 良かった。 「人騒がせなっ。全然普通のミツバチじゃん!覚えなさいミツバチくらい」
さて今日も草取り。 「そうは言っても、ハチの来る時期なんだから気を付けなさい」 喉元は過ぎたので、母の注意も耳の穴から聞き流し。 しばらく仕事をしていると、「ぶうんっ」 耳の側で強烈な音がっ 「!!!!」 慌てた時は声って出ません。私は庭を走って逃げた。 「ぶううううんっ」音はちっとも遠くならない。ひいっ 花のハチは、普通怒って追い掛けて来たりしないしっ。 刺された気配も無いので身体中を思い切って振ってみる。 ふと見ると、肩口に小さなアブがジャンパーに脚を引っ掛けて飛べなく なっていた。 「・・・・・・」 脚を外してやる。アブはよたよた飛んで行った。 私は全身から冷や汗を流していた。格好悪いったらない。
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