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夏が近付いて来た。 日本の夏、金魚の夏。 その後の我が家の金魚のお話をします。
彼岸に一匹逝ってしまってから 数が変わらない金魚たち。 合計4匹。28円が2匹。350円が2匹。 オスとメスとを分ける事にずっと苦労して来たが、分ける事自体もう止めた。 どうやらオス3匹、メス1匹である事が判明したからだ。 350円の金魚はどちらもオスだった。今は一緒に暮らしている。 28円の金魚のうち大きい方、ずっとオスだと思われて来た方がどうやら メスだった。今は 小さな旦那様と一緒に暮らしている。 小さな旦那様はたまに大きな奥さんのお尻を追いかけている。 それを見て、ずっと性別を反対だと思い込んで来た家族はあ〜あと言う声を出す。 「尻追ってるよ・・・」 350円の大きな金魚と一緒のメス争いでは、小さなオスであるシンゴに とても勝ち目はない。実際、戦いに敗れ、弱って 小さなままになってしまった。 だが、種類も同じ金魚屋のキンギョこと和金のポンポンと一緒なら中々 堂々とした夫婦ライフを送れているようだ。
これまでの我が家の金魚の産卵歴は、メスが1匹なら何となく説明の付かない 部分もある。でも、もういいや。考えるのも面倒になって来ちゃった。
数日前だが、和金夫婦のメスの方が怪我をした。 ウロコが直径1センチほどに渡り、剥がれたり傷付いたりしている。 「・・・」 夫の暴力か。それとも何かの時の配慮が足りないのか。 実際、多くのオスに群がられたメスはウロコが剥がれてボロボロになると聞く。 でも、うちはちっこくて大人しい旦那さんが1匹いるだけだ。 「シンゴちゃん。あんた・・・」 金魚相手でも 事が微妙な問題だけに あとの言葉が続かない。問うても答えてはくれまい。
「だけどさ〜、あんな乱暴出来るものかな?相手の方が2倍は大きいよ」 「だって、それじゃあ何であんな怪我するの」 「それは・・・」 そうなんだよね。
乱暴者の烙印を押され、すっかり評判を落としたシンゴ。昼間は悠々と 回遊しているだけだ。 「夜やってるんじゃないの?」 うわ〜淫靡。 怪我にばい菌が入っても困るので(数が減れば 世話は楽になるんだけど) 金魚の傷薬を買って来る。高価っ! 息子の傷薬の方がずっと安い。
子供の出入りが多くなり、昼間の水換えはままならない。 夕方になってから、大急ぎで水を替える。早速 薬湯にしてやろうと考えていた。 メスの身体の傷は治りかかっている様子が見えた。 何と言うか、大きくなると金魚って丈夫ですね。
うちは水換えは灯油ポンプで行う。一応金魚用なんだけど、形も原理も あれと一緒。色々使ってみて、これが一番良かったのだ。 1個の水槽でバケツ2杯分の水換え。初めのバケツの汚水を捨てに行く時 しばしば私はポンプを水槽に無造作に投げ入れて行っていたのだが・・・。
シンゴが投げ入れられたポンプ目掛けて、激しい攻撃をしている。 これまでは無かった行動だ。何度かポンプに体当たりを食らわせている。 「・・・・・・!」 ひょっとして、怪我の原因は 投げ入れたままにしてあったこのポンプ?? 1杯分を汲み取られ、水量が少なくなったところに ポンプを投げ入れられ (我ながらひどい事するなあ)身体の大きいメスの方が 吸い込み口にこすって しまったのか? また水量が少なくなったところにポンプを投げ入れやがってこの野郎と言う事で 堪らずオスが向かって来たんだろうか。 それなら納得。原因は私ですな。 もしそうなら、ごめん金魚よ。 だけど金魚が、そこまで学習するかな。 金魚にもあるんだろうか?夫婦愛。
とにかく悪かった。次回からそう言う いい加減な事はしません。 それでもメスの怪我が増えるようなら、やっぱり夜に何かやってるのかも 知れないけれど。
シンゴちゃんは、ほとんど口をパクパクしない金魚だ。 エラで間に合わせているらしい。そんなシンゴが たまに小さく口をパクパク させると、そこから本当に小さなあぶくが上がって来る。
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