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2005年06月16日(木) 迷子になりました。


私は方向音痴だ。 それも、かなり重症の。
多分、人は頭の中に磁石を持っていて、それが私の場合、きっと狂って
いるのだろう。どこで直せば良いのか知りたい。

行きたい花屋が隣の区にあると言う事を知った家族は、私が一人で行く事に
反対した。事故を心配されている事もあるが 「行き着かないのではないか」
と言う事が一番の問題なのだった。
「行けるねっ」 私は豪語した。大きな通りを左へ曲がって 真っ直ぐ行けば
いいだけだもん。お店の人に電話で聞いたんだもんね。
その前に地図を見て「これならやれる」と思ったし。
『負ける勝負はしない』 これが私の人生のモットーだ。
『負けたと思わない。認めない』 これもセットで付いて来る訳ですが。

車は順調に走る。そう思っているのは私だけかも知れないが。
とにかく何とか目的地に着いた。驚くほど呆気ない。店の入り口を間違えたが。
結論から言うと、品揃えは今一つだった。エラそうだな私。
でも、大きな通りに面して建てられる花屋の品揃えに マニアックな物を
そうそう求める方が間違っている事も判っている。
花屋さんや植木屋さんが纏まって建っている、「植木村」と言う名前も
そのまんまな所が、実はあるんだけど、そこまでの道がグネグネして
危険
と言う理由で私は行けない。自信が無いのだ。

それでも幾つかの商品を買っての帰り道、さっそく問題が起きた。
右折が出来なかったのである。
出口は狭く、左折車がつかえている。思ったよりずっと、交通量は多い。
「〜〜〜〜・・・・・・っ」
諦めて、左折する事にする。左折左折左折右折で、元の道を戻れる筈だ。
適当なところで左折する。セブンイレブンがあるところと覚えた。
次に来た時に困らないためだ。
道が真っ直ぐだったらいいなあと思いながら走る。だが道は真っ直ぐでは
無いような気がして来た。こう、ぐ〜っとへ下がっているような。
下は下であり、北なのか南なのか東なのかも判らない。
余り深みに入り込まないうちに左折する事にする。ここを真っ直ぐ行けば
元来た 大きな道に出る筈なのだ。でないと とても困る。
大きい道路が来るまで、じっと辛抱しようと思う。途中で曲がったら
全てが台無しと言うか、もう帰れない。
しばらく行くと 大きな道路があったので右折する。
何となく、見慣れない道だなあと考えながら走る。確か中央に分離帯があった
筈だけど、ここはないなあ。もう少し行けば出て来るのかな?分離帯。
そもそも3車線じゃなかったか?どうしてここは、2車線なのだろう。
信号で止まった時に住所を見る。そこは行った事のない場所だった。

私はどうするべきなのだろう。道は真っ直ぐ続いているが、行って良い物か。
だが、そんなに離れてもいない気もするのだ。
それとも逆方向に向かって 走っているのだろうか。
真っ直ぐ行けばきっといつか、青い道路標示の看板があって、どっちが家か
教えてくれるだろう。
だがもし「←札幌」と言うアバウトな書かれ方をしていたらどうすれば良いのか。
うちは札幌だが、大変な外れなのだ。
しばらく行くと表示看板が。そこには近所の住所が!ラッキー。
矢印の方へ真っ直ぐ進むと、今度は大きな陸橋が。
見た事もない陸橋を前に 立ちすくんでは迷惑なので 迷わず通過する。
私はどこへ向かっているのだろうか。

陸橋を降りると、そこは見慣れた場所だった。驚いた。
どこがどうしてそこに着くのか全く解らない。 だが着いたのだ。
知ってる道であれば、私は走れるのだった。

家に着くと家族に驚いたような顔をされる。「本当に行って来たの?」
「行って来た。でも帰りに迷子になっちゃった」
私は曲がるべき道を 2本も行き過ぎていた事が家に着いてから判った。
では、どこで曲がるべきだったのか。それらしい道は無かったと思ったんだけど。

人には向きと不向きがあるのかも知れない。いや、ある。
だが、自分でしないとね、な事もあるのだ。
道を2本も行き過ぎる。まるで己の人生のようではないかと思うと身に沁みた。
基本的に負けは認めない。だが、もう多分 あの店には行かないだろう。



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