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退院してから、まる1ヶ月が経過した。 色々な事があったけれど、1ヶ月だ。もう、いいだろうと思う。
その玉のような物は、おそらくずっと以前からあったのだ。 十年近くかけて、徐々に大きくなったのだろう。 そんな物があると言う事に、気付く事がなければ、玉は更に大きく なって行ったのかも知れないし、小さくなって消えてしまっていた かも知れない。 ただ、一旦気付いてしまったら、日毎大きくなるこの玉の存在は 重く 苦しくもある。
この玉、気持ちでは抱えているような気もするが、実際は心の奥深くに 沈んでしまっているものなのだろう。 これまでの生活と、常に私自身の中にあったのだろうある種の齟齬を 切り離して、こねて丸めて作ったものだ。
私の心の中には大きな玉がある。 玉はもう少しで・・・もう少しでどうなってしまうのだろう。
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