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人間の屑ですね。 面と向かって言われた事がある。一度や二度ではない。 勿論、相手は 私の事をそんな風に言っているつもりはないのだ。 相手の言う「人間の屑」の条件がたまたまぴったりと私にも 当て嵌まっている事を、相手が知らないだけなのである。
本人に問題があるんでしょ。 やっぱり少し異常と言うか。 こんな言い回しもある。私は困ってしまう。 私自身はそうではないと思っているからこそ 安心して相手は話を 振って来るのだ。 問題のある異常な人間に見えないのは嬉しいが そもそも、そう言われる条件の方には当て嵌まっているのだった。 そんな時は 取り敢えず、今この会話は無事に済まし、何も悟られては ならないと思う。
決め付けで物を言うのは良くある事だ。私も実に良くこれをする。 何にでも首を突っ込む野次馬だから、余計に何かコメントをしたくて 仕方ない時もあるし、口にする時はやっぱりこんな感じになる。
適度に親しい程度の人と話す時、その人の情報をどのくらいまで頭に 置いて話すだろうか。既に知っている事ならば、関係する話題の時などは すかさず思い出し、心を配るだろう。 だが、姉がいるらしい程度の情報量で、その姉の子供が思い病で あると言う可能性まで頭を巡らせたりするだろうか。 その姉が、長く精神を病んでいるかも知れないと言う事まで考えるだろうか。
話題は外から飛び込んで来る事が多い。 それについて語る時、真っ先に顔を出すのは、その人の節度のある常識と ぶち壊される事もなく、持ち歩いて来た価値観だ。 そこから大きくずれた物、身近でない物には辛辣なコメントが出やすい。
私も、そのテのコメントはガンガン出しているからお互い様なのだ。
屑の汚名は返上出来るのか? 私が相手の言う屑であると言う事を知った上で、その人が私を屑と 呼ばないのであれば、もういいではないか。
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