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夏休みの遊び相手は学校へ言っている時とは少し違っていて、 学校がある時は、多少遠くからでもクラスメートがやって来る。 学校で約束してしまうらしいからだ。
夏休みは近所の子と遊ぶ。
斜向かいは お父さん(お医者さん)、お母さん、お兄ちゃん(小3) 妹(年長さん)の4人家族。 ちなみにお父さんとお母さん、美男美女の カップル。 お父さん、私が息子を産んだ病院の婦人科に現在勤務中に付き 私は健診に行けないのだ〜(内緒)と言う、不思議かつ情けない縁がある。
ここの兄妹と、息子は良く遊んでもらう。 お兄ちゃんとこにも、普段は学校の友達が来てるんだけど、何故か 夏休みは息子と遊んでくれてるふう。 「オレは今 副隊長で、T(お兄ちゃん)が隊長だ!」 「オレは今 隊長になって、Tはスーパー隊長だ!」 「Aちゃん(妹)は 副副隊長だ!」
何をやっているのやら、食事の時だけ戻って来るのだが、そんな話を している。 「TはAちゃんに意地悪言って泣かす」 「それはT君はAちゃんのお兄ちゃんだから、兄弟だから喧嘩するの」 「オレがAちゃんに悪い事を言ったからオレは今家来にされたんだ」 兄ちゃんは、他の者が妹を愚弄するのは許さないのだった。
そんな毎日を送っているせいか、夏休みは近所の子が一斉に兄弟姉妹で 遊び出すせいか、息子はしょっちゅう 「オレも妹か弟が欲しいなあ」と 口にするようになった。 普段の5倍は口にするようになった。
今日も祖父母が隣町のお寺に出掛けている時に、息子が食い下がって来た。 「お母さんは、もう弟も妹も産まないんだよね??」 人を犬コロみたいに。 一人育てるだけでどれだけの苦労だとお前っ。 「産まないね〜、だけどT君もAちゃんもいるでしょ? 一緒に遊んでくれるでしょ?」 だから余計に欲しくなっちゃったんだろうけどね〜。 他のものなら、サンタさんに頼めば大抵は ト○ザらスの袋に入って クリスマスに ツリーの前に置かれてるけど こればかりはね〜。
「お母さんは歳だから子供を産まないんだよね??」 「子供はお父さんとお母さんがいて、初めて生まれて来るからねっ」 悔しいから思わずかわした! だけど逆にまずい方向へ踏み込んだ気分。 「じゃあ、お父さんがいれば、お母さんは子供を産むんだね??」 わあ、来たあ。 「いや・・・やっぱりお父さんがいても もう産まないって言うか」 どっちだよ! 産みません。
「お母さんはさ、お腹が ばくって割れてオレが生まれて、だからもう 産めないんだよね。他のお母さんみたいに ちゃんとお尻から産んでたら まだ赤ちゃん産めたかも知れないんだよね?」
う〜〜〜〜〜ん。「うん、お腹 切っちゃったしねえ」 お尻云々に関しては、現時点ではノーコメント。
一通り聞いたら、息子も諦めが取り敢えず付いたようだ。 だがまた何れ、聞かれることになるわけだが・・・。
息子の勘違いには頭を抱えたが、私はたった一人の子を帝王切開で産んだ。 ギリギリの出産であったため、何がなにやら判らず、これからも 判る事はないだろう。 あのまま切らずに産んでいたら、もしかしたら 息子は彼の言ってる通り、お尻から出て来たのかも知れない。
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