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「お母さん、赤ちゃんってお尻・・・」
まただ、またぞろ赤ん坊と尻の話・・・ いや、赤ちゃんはどこから産まれるのと言う話である。
どうしてそんなに気にするのか。何ゆえお腹か尻かでは駄目なのか。 わが息子の興味の持ち方が異様に思え、おののく母親。 って言うか、しつこいですよもう。
「お尻から産まれるって言ったよね?」
「そう。言ったね。お尻だね」 初めは躊躇しながら嘘の説明をした ものが、何時の間にか 私の中でも大真理に。
「・・・。じゃあね。腸はどうなってるの。赤ちゃんが生まれる時 腸はどうなっているの?」
あっ
そうか、息子が聞きたかったのはこれか。 学習教材に付いてくるんだけど、何とも半端な人体図鑑とかが。 消化器官中心で、難しくなりそうな器官は適度に省いてあるやつ。 そもそも人体って平面図じゃ中々説明出来ないし。
食べた物は食道を通り、胃を通り、腸を通り、便となって肛門から排出されます。 肛門はお尻の穴なわけですが、それじゃ赤ん坊はどこから出るの?? と言う事を ずううっと息子は上手く聞けずにいたらしい。
「それは・・・」 困ったねどうも。
「赤ちゃんはウ○チと一緒に出来るの?」 「出来ません」 ウ○チの方がそれだけ扱いが楽だろうか。
「赤ちゃんはお腹の中に赤ちゃんの育つ袋があるって言ったでしょ? だからお母さんは、そこを切って Rちゃんをお医者さんが出して くれたんだって言ったよね?」
「うん」
「だから・・・」 だからどうよ、困ったねどうも。 赤ちゃんの袋がお腹にあって、出られなくなったらそこを切るけど 出られる赤ちゃんはどうするの?どこから出るの? お尻から出るなら腸はどうなるの?
どうしよう。実は穴はも一個あるって言おうか。いや待て。 「みして」って言われたらどうする?別にまだ、知らなくたっていいじゃん。 クラスの男の子が全員解ってて、自分だけ尻から生まれると思ってて 初めて知った時に怨まれたっていいじゃん。 取り敢えず、なんでも興味の今は まだ早いって。
「・・・お腹の袋は途中から腸に繋がっていて、袋を出た赤ちゃんは 腸を通ってお尻から生まれます」 どひ〜。
「そうかあ」 と息子。
今、私は確実に新しい人体を創造したな、と思った。
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