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昨日夕刻、母が深刻な顔で私の部屋のドアを開けた。 何か起きたのだろうか。
「金魚が1匹・・・死にそうなんだけど」
そんな事か!と言っては金魚にあんまりだ。 だがやっぱりそんな事で そんな顔で人の部屋に入ってくるなよ〜とは思う。
金魚がいるのかと思われる方もいるかも知れない。 いるんです。 調べたら2005年6月くらいまでは金魚の記述があった。でもそのあとは・・・ とは言え、残った3匹はあれからずうううっと生き続け、でもって そのうちの1匹が昨日ついに死んでしまったと。
死んだ金魚はポンポンと言う名前のメスの和金。 金魚すくいの金魚の巨大化したやつ。
見ると金魚部屋のふすまが閉めてある。 「横倒しだけど、まだ尻尾だけ動いてるから少し生きているのかも知れない」
何故か おどおどする母。 尻尾??普通辛うじて生きているかはエラで 判断するので・・・・・・ 「それは多分エアレーション(空気ポンプ)で動いているだけだね」 と言いつつ、ふすまを開けたら案の定、既に明らかに死体だった。
「しんどる」と私は言ってビニール袋を持って来た。 既に金魚用の網からはとうにはみ出し、障子もその尻尾でぶち破った金魚 ポンポン。 愛着はある、だがほっとした。
「水棲生物は、二度と買わん」 ぶつぶつ言いながら自ら引き上げ母の方に 向けると、僅かずつだが後ずさって行くではないか。
「なんと、怖いの?」
「私、死んだ金魚はどうしても気味悪くて、それ今やらなくても明日まで そのままで良かったんじゃないの??」
「いいけど・・・ふくらむよ」
「うわあああああ」 などと言うやりとりのあと、小さな鯛のように みえるポンポンは生ゴミに出される事になった。
別に雑に扱いたいわけではなく、冬に死んだ動物は基本的に火葬と言うのが 我が家のルールなのである。庭には積雪。
躊躇されるかどうかの違いで、結局結論は同じになるわけで・・・ だから10月末に死んだお〜ちゃんはギリギリセーフだったと言う事になる。
金魚が死んだ。
と言う表現がこの場合正しいのだろう。 だが大きいのがまだ2匹いる。
金魚が減った。 どうしても心情的に譲れないタイトルだ。
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