不機嫌なブーケ QLOOKアクセス解析

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2007年02月03日(土) 歩き去って行く。



ここではないどこかへ。

後姿が見えなくなる前にこちらが走り去ってしまう方が
ずっと、あとあと楽なのだ。

自分の負担を考えるに、その方が良いのだ。
例えば道が間違っていても、取り敢えず 早足に去った方がいい。

そう思いながら 月の光を静かに浴びている。

地面に転がった人形だ。 手も足も、首もなかった。
元々どこにも行けないのだった。

五体満足の人形が打ち捨てられているのを見て それを壊し
汚すのは、全うな心理とは思えない。
だが、既に人形の姿も保っていないものが無造作に転がっていたら・・・
可哀相と手に取るよりも、目を背けるかいっそ踏み付けるか
見たくない、なかった事にしたかったと言う心理の方が普通に思える。

歩み去れない足、踏まれ、人形であった事実も消し去られるのを待つ身体。

一瞥をくれて、踏み付ける事はせず 目を伏せ歩み去る優しい影。




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