銀河鉄道を待ちながら
鬱と付き合いながらの日々を徒然に

2005年02月23日(水) 消しゴム二つ

仕事の最中、ふと気が付くと机の上に消しゴムが二つある。

誰か消しゴムをおれの机に忘れたのだろうと思って周囲に聞くも、なぜか持ち主が出てこない。

そうこうしているうちに、二つの消しゴムはよく似ているので、どっちがおれのかもわからなくなった。

仕方なく、引き出しの中に一つをしまった。

おれの引き出しには、そういう風にして増えた鉛筆やホッチキスなんかがいくつもある。
一体誰がおいていくのか検討もつかない。

まあ、置いていく人も人だが、どっちがおれのかわからなくなったおれもおれだ、と思う。

仕事場で使う文具は、なぜか愛着がわかない。普段使っているペンのかたちが思い出せないことなんかしょっちゅうで、学生だったころとは大違いだ。

学生時代は自分の鉛筆1本1本が判別できたのに、と思う。

やっぱり、自分で買うかどうかが重要なんだろう。
自分の小遣いで買った中学校時代の筆箱を、おれはいまだに使っている。

とはいえ、消しゴムを置いていった人の気持ち、というか状況というのもわからなくもない。

おれの経験上、消しゴムというものは、あるときに突然消えてしまうものなのだ。

おれは人生で消しゴムを一回も使い切ったことがない。
あるところまで使い続けていると、いつの間にかなくなってしまう。

きっとおれも、おれの机に消しゴムを置いていった人と同じように、気づかぬまま、消しゴムをどこかに置き忘れたか落としたかしてしまっていたのだろう。


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