東京行きが決まってからは、本当に毎日があっという間に、息をつく暇もなく過ぎていく。
まず本の整理から始めようと思い、今持っている本を全て、いるものといらないものに分けてみた。
すると、案外自分が本を持っていて、しかも、捨てるにしのびないものばかりだということに気付いた。
中にはすっかり存在をわすれてしまっていたような古いものもあったが、そういうものの方がかえって、それを買った当時のことを懐かしく思い起こさせる。
特に印象的だったのは、TRPG関係の本だった。 中学生の頃、おれの周りではやっていたゲームだ。
今でも自分はオタクだと思うけれども、その頃のことを思うと、自分のオタク度の高さに、あきれるのを通り越して、尊敬の念すら感じる。
あの頃の仲間とは、もう全く会っていない。
人づてに聞いたのでは、一人はアニメーターになり、一人は普通の親父になり、一人は何をしているのか分からない。 一人がもうこの世にはいないのだけは、はっきりしている。
今思えば、なんだかんだいって、結構楽しい時代だった気がする。
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