++いつか海へ還るまで++

雨が降る 代わりに泣いて いるように

降り続く雨 降り止まぬ雨


2005年07月04日(月) 写真。

写真が一枚 送られてきた。
短い手紙を添えられて
亡夫の後輩の女の子から。

まだ元気な頃の職場で撮った写真。
もう6、7年も前のものが整理していたら出てきたから・・と
優しい心遣いの言葉。

わかってるんだよ。そうなんだよね。
ありがとう って手紙書かなきゃいけないね。


写真に写ってるのは 元気だった頃のアノヒト。
楽しそうに笑ってる横顔。まだ幸せだった頃の。

ねぇ・・・これを今 わたしが見て どんな気持ちになると思う?

懐かしいね・・と穏やかに微笑めるほど傷は癒えていないなんてことを 
まだ若いあなたに言うのは 酷だよね。
良かれと思ってきっと 送ってくれたんだろう。
それは わかるんだ。 
わかっているから 余計にそのヤサシサを
憎んでしまいそうになるジブンが嫌なんだ。

写真 すぐに仕舞った。封筒に。
言葉にならないほど ツラカッタんだ・・よ。

それでも きっと嘘の手紙を書く。
「懐かしい写真をありがとう」
切り裂かれたココロを隠して笑うフリをする。
また 彼女がお線香あげにきたら わたしは 
泣く彼女を優しげな顔で話を聞き 慰めるだろう。
純粋な真っ直ぐな心へ嘘を返す。偽善のカタマリ。サイテイ。



それでも 
それでも

ねぇ・・・わたしのココロは何処へ行けばいいの?

踊る踊る赤い靴 やっぱり脱げない。
嘘をつくから嘘つきだから踊り続けるしかない。
でも
嘘つくしかないじゃない。

泣けばいいの?
笑えばいいの?

わたしには真実(ほんとう)なんて口にできはしないじゃないの。

わからなくなって
とてもとても疲れて


一枚の写真。
笑顔の。
懐かしいものになってしまったひとの。

憎んで苦しんで
愛したひとの


二度と還らないひとの。


写真が 

一枚。

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                               ゆうなぎ


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